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2020/09/11 19:24

「係争地」問題抱える中印、緊張緩和で一旦合意 無料記事

 緊張の緩和に向けて交渉を進めることで中印の両国が一旦合意した。中国の外交部長(兼国務委員)とインドのジャイシャンカル外相は10日、ロシア・モスクワで会談し、国境地帯に展開する両軍の立場について、「発砲や接触を回避するべき」との見解で一致。両軍の衝突を避ける姿勢を双方が明確化した。両国は部隊を係争地から速やかにそれぞれ撤退する。
 両大国は緊張緩和の方針で一致したものの、領土をめぐる歴史的な係争が横たわっているだけに、問題の根本的な払拭にはつながらない。この地域の動向を慎重に見守る必要がありそうだ。
 中印の両国間では、双方が相手に応酬するなど緊張が高まっていた。中国人民解放軍は8日午前、国境地帯でインド側が二国間協定に反し、空中に向けて威嚇射撃したと非難する声明を発表した。それによると、インド軍は7日に実効支配線を越え、班公(パンゴン)湖南岸の神炮山地域に進出。交渉に当たった中国国境部隊を銃声で威嚇したという。
 人民解放軍西部戦区の張水利・報道官は、「インド側の行動は緊張を高め、誤解や判断ミスを招く重大な軍事的挑発行為であり、非常に悪辣だ」と強く非難。直ちに危険な行動を停止し、人員を即時撤退させるよう求めた。
 国境係争地域のインド北部ラダック地方では6月15日、両軍が衝突し、インド側に20人の死者が出ている。中国側も死傷者が出た。両国の国境係争地域の武力衝突による死者発生は1975年以来、45年ぶりとなっている。


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