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2018/09/27 13:34

香港前場:ハンセン0.5%安で反落、上海総合は0.4%下落 無料記事

 27日の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比123.87ポイント(0.45%)安の27693.00ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が46.92ポイント(0.43%)安の10938.68ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は416億7900万香港ドルに縮小している(26日前場の売買代金は584億3100万香港ドル)。
 買い先行後に売られる流れ。中国の政策期待が強まるなかで指数は小高くスタートしたものの、上値は重く、ほどなくマイナスに転じた。香港の金利高を警戒。米国の利上げを受けて、金融政策で米国に追随する香港でも政策金利が引き上げられた。これを受けて市中銀行も、貸し出しの目安となるプライムレート(Pレート:最優遇貸出金利)を引き上げている。金融大手グループのHSBC(5/HK)は本日、Pレートを5.000→5.125%(↑0.125ポイント)に引き上げると発表した。28日付で実施する。Pレートの引き上げは2006年以来、約12年ぶりだ。傘下の恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)など、域内行もHSBCに追随している。
 ハンセン指数の構成銘柄では、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.2%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.8%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が2.6%安と下げが目立った。香港の金利上昇を嫌気し、域内の不動産株も売られている。
 業種別では、空運、紙・パルプが安い。中国国際航空(753/HK)が3.1%、中国南方航空(1055/HK)が2.4%、中国東方航空(670/HK)が1.4%、玖龍紙業(2689/HK)が1.6%、理文造紙(2314/HK)が1.2%ずつ下落した。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安の動きが嫌気されている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元安水準に設定した。米利上げに伴う米ドル高を背景に、人民元の先安観も意識されている。
 中国の自動車セクターもさえない。長城汽車(2333/HK)が2.6%安、北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が2.1%安、吉利汽車HD(175/HK)が1.5%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.0%安で引けた。
 半面、ゼネコンや建設素材などインフラ建設セクターは物色される。中国中鉄(390/HK)が3.3%高、中国鉄建(1186/HK)が1.8%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.2%高、華潤水泥HD(1313/HK)が1.6%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.2%高と値上がりした。国内景気の鈍化懸念がくすぶるなかで、当局がインフラ投資の拡大方針を打ち出したことが改めて評価されている。
 このほか、金利高がメリットとなる香港銀行セクターの一角もしっかり。恒生銀行が2.2%高、HSBCが0.1%高と上昇した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39%安の2795.79ポイントで前場の取引を終えた。保険株が安い。空運株、自動車株、ハイテク株、不動産株、消費関連株の一角なども売られた。半面、発電株、医薬株、エネルギー株の一角は買われている。


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