2021/11/11 13:37
香港前場:ハンセン0.2%安で3日ぶり反落、上海総合は0.6%上昇
11日前場の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比37.86ポイント(0.15%)安の24958.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が3.24ポイント(0.04%)安の8907.74ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は705億7630万香港ドルとなっている(10日の前場は652億650万香港ドル)。
世界的なインフレ高進が嫌気される流れ。10月の物価統計が米中で公表され、上昇率は前月から大幅に加速した。米国の消費者物価指数(CPI)はおよそ31年ぶり、中国の生産者物価指数(PPI)は26年ぶりの高い上昇率を記録している。企業収益や経済成長が圧迫されると不安視された。中国の経済成長下振れも警戒。ゴールドマン・サックス(GS)は最新リポートで、2022年の中国GDP成長率が4.8%にとどまるとの見通しを示している。2022〜25年の年平均成長率は4.5%となり、市場コンセンサス予想を大幅に下回るとの予測だ。中国不動産業を巡る不透明感がやや後退し、指数は高く推移する場面がみられたものの、前引けにかけて再びマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.1%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.0%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が1.9%安と下げが目立っている。テンセントについては、昨日引け後に公表した7〜9月期決算の内容も失望された。増収率が2004年の上場以来で最低水準にとどまっている。
セクター別では、医薬品が安い。百済神州(ベイジーン:6160/HK)が5.5%、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.4%、中国生物製薬(1177/HK)が1.6%ずつ下落した。
半面、中国不動産セクターは高い。中国海外発展(688/HK)が5.2%、華潤置地(1109/HK)が3.3%、碧桂園HD(2007/HK)が2.2%ずつ上昇した。同業界に関しては、デベロッパーを対象とする融資規制「三条紅線」(3本のレッドライン)について、一部の国有企業が当局に緩和を要請した――などと伝わっている。流動性危機に直面する民営デベロッパーからの資産買収に、国有企業が動きやすくなると期待された。
食品飲料セクターもしっかり。統一企業中国HD(220/HK)が12.1%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.8%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.4%高で引けた。
一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.59%高の3513.15ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。金融株、ハイテク株、素材株、自動車株、空運株なども買われた。半面、医薬品株は安い。公益株、食品飲料株、エネルギー株も売られた。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
世界的なインフレ高進が嫌気される流れ。10月の物価統計が米中で公表され、上昇率は前月から大幅に加速した。米国の消費者物価指数(CPI)はおよそ31年ぶり、中国の生産者物価指数(PPI)は26年ぶりの高い上昇率を記録している。企業収益や経済成長が圧迫されると不安視された。中国の経済成長下振れも警戒。ゴールドマン・サックス(GS)は最新リポートで、2022年の中国GDP成長率が4.8%にとどまるとの見通しを示している。2022〜25年の年平均成長率は4.5%となり、市場コンセンサス予想を大幅に下回るとの予測だ。中国不動産業を巡る不透明感がやや後退し、指数は高く推移する場面がみられたものの、前引けにかけて再びマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.1%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.0%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が1.9%安と下げが目立っている。テンセントについては、昨日引け後に公表した7〜9月期決算の内容も失望された。増収率が2004年の上場以来で最低水準にとどまっている。
セクター別では、医薬品が安い。百済神州(ベイジーン:6160/HK)が5.5%、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.4%、中国生物製薬(1177/HK)が1.6%ずつ下落した。
半面、中国不動産セクターは高い。中国海外発展(688/HK)が5.2%、華潤置地(1109/HK)が3.3%、碧桂園HD(2007/HK)が2.2%ずつ上昇した。同業界に関しては、デベロッパーを対象とする融資規制「三条紅線」(3本のレッドライン)について、一部の国有企業が当局に緩和を要請した――などと伝わっている。流動性危機に直面する民営デベロッパーからの資産買収に、国有企業が動きやすくなると期待された。
食品飲料セクターもしっかり。統一企業中国HD(220/HK)が12.1%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.8%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.4%高で引けた。
一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.59%高の3513.15ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。金融株、ハイテク株、素材株、自動車株、空運株なども買われた。半面、医薬品株は安い。公益株、食品飲料株、エネルギー株も売られた。
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