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2022/05/11 17:38

香港大引:ハンセン1.0%高で5日ぶり反発、BYD値上がり8.5% 無料記事

11日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比190.88ポイント(0.97%)高の19824.57ポイントと5日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が111.47ポイント(1.67%)高の6769.72ポイントと6日ぶりにそれぞれ反発した。売買代金は1261億5180万香港ドルにやや縮小している(10日は1436億8030万香港ドル)。
 中国の経済対策が投資家心理の支えとなる流れ。新型コロナウイルス禍による景気腰折れを回避するため、政府は雇用やインフラ投資、消費振興などに向けた対策を矢継ぎ早に発表している。米国による対中圧力の緩和にも期待。バイデン米大統領は10日、演説後の記者会見で、国内インフレ対策の一つとして、トランプ前政権が広範な中国製品に課した追加輸入関税の引き下げを検討していることを明らかにしている。インフレ高進の警戒感などで安くスタートしたものの、指数は徐々に買いが優勢となった。朝方公表された4月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス2.1%に達した。市場予想(1.8%)や前月実績(1.5%)からインフレが加速している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が8.5%高、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が6.9%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.8%高と上げが目立った。
 医薬セクターも高い。上海復星医薬集団(2196/HK)が10.8%、薬明生物技術(2269/HK)が6.5%、四環医薬HD集団(460/HK)が5.5%、微創医療科学(853/HK)が3.7%ずつ上昇した。産業支援策が期待される。中国国家発展改革委員会(発改委)は10日、バイオテクノロジーを活用した「生物経済」の第14次5カ年計画(2021〜25年)を発表した。
 半導体セクターも急伸。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.4%高、晶門半導体(2878/HK)が4.3%高、華虹半導体(1347/HK)が3.6%高で引けた。当局が産業育成スタンスを一段と強めるとの思惑が改めて広がったほか、業界大手の製品値上げが支援材料となっている。現地紙が10日、ICファウンドリ世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)は顧客に対し、2023年1月からの受託生産価格引き上げを通知したもようだ。
 他の個別株動向では、新興EV(電気自動車)メーカー、理想汽車(リ・オート:2015/HK)が9.8%高。同社は昨日引け後、今年第2四半期(4〜6月)の売上高が前年同期比で22.3〜39.8%増加するとの見通しを明らかにした。
 半面、中国不動産セクターはさえない。合景泰富地産(1813/HK)が4.3%、中国金茂(817/HK)が3.4%、華潤置地(1109/HK)が3.2%、中国海外発展(688/HK)が3.0%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.75%高の3058.70ポイントで取引を終了した。医薬品株が高い。ハイテク株、消費関連株、資源・素材株、エネルギー株、空運株、エコ発電関連株なども買われた。半面、不動産株は安い。公益株、銀行株も売られた。




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