/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/07/16 15:36

中国:医薬企業の淘汰加速、流通改革下で倒産相次ぐ 無料記事

 薬価引き下げを目的とした医薬品流通改革が中国で推進されるなか、国内で関連企業の淘汰・再編が加速している。医薬品の集中調達制度や「両票制」(製薬会社から医療機関に至る医薬品流通プロセスで領収書の発行を2回までに制限するルール)、公的医療保険改革などの各種政策が導入されるなか、大手企業(子会社を含む)だけでも2019年以降に10社以上が破産した。うち、医薬品の集中調達制度はまもなく第3陣の買い付けが始動する予定。調達対象の選定ハードルが一段と引き上がるとみられているだけに、競争力に乏しい医薬品メーカーの経営圧力は一段と強まるだろう。21世紀経済報道が15日付で伝えた。
 中国の医薬品業界では、2019年12月の第1週に5社が相次ぎ破産を申請している。残存企業の間でも、減給やリストラといったネガティブニュースが後を絶たない情勢だ。企業情報を公開しているウェブサイト「啓信宝」によれば、経営範囲を記載する欄に書かれた文字の頭から30字以内に「医薬、製薬、薬剤、薬品、製剤、抗生物質、中医薬、西洋薬」が含まれる企業のうち、2019年1月以降に114社が破産を宣告。6037社が登録抹消、または事業ライセンスをはく奪されている。
 専門家は「政策調整に適応できなかった医薬品企業が淘汰の最前線に位置する」と指摘。企業タイプ別では、医薬品流通企業が最近2年内で確認された破産案件の主力となっていると現状を指摘した。
 「帯量採購」と呼ばれる医薬品の集中調達制度は、医薬業界に波紋を広げている。一定基準に達したメーカーに対し、入札制度で薬価を競わせる内容だ。新制度の導入で価格が9割も下落した医薬品も出るなか、「高収益時代」を謳歌してきた業界に大変革を迫った。集中調達の対象品目は段階的に拡大されつつある。単一製品に依存しているメーカーや、対象品目の生産比率が大きいメーカーは、生存の危機に直面した。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース