電子商取引（Eコマース）事業へと舵をきった中国の通信教育大手、新東方在線科技HD（クーラーン・テクノロジー・ホールディング：1797/HK）は9日引け後、社名を「東方甄選控股有限公司（East Buy Holding Limited）」に変更したと報告した。香港証券取引所では14日付で新名称に切り替わる。
　主力事業の変更に伴うもの。同社は今後も取扱商品の拡充を図るなど、ライブコマース事業を強化していく方針だ。
　直近の2022年11月中間決算では、売上高が20億8007万人民元（約400億円）に達し、継続事業ベースで前年同期比6.9倍、非継続事業を含めても3.6倍に急拡大。純損益は5億8529万人民元の黒字に転換した（前年同期は5億4399万人民元の赤字）。21年に立ち上げたライブコマース・プラットフォーム「東方甄選」の売上高が17億6580万人民元と全体の8割強を占め、業績回復に貢献している。
　中国当局が21年、義務教育段階の小中学生を対象とした「学科類」（国語、数学、英語などの学科知識）の校外補習機関（学習塾など）を対象とした規制を強化したことを受け、同社は22年5月通期の時点でK-12（幼稚園から高校を卒業するまでの教育期間）事業から撤退。K-12事業は非継続事業の扱いとなっている。教育関連では現在、大学生や社会人、法人向けのオンライン教育サービスのみを提供。K-12事業に代わる新たな主力事業として参入したのが「東方甄選」事業だ。
　ライブコマース・プラットフォームの「東方甄選」では、農産品や食品・飲料をはじめとする各種商品を扱っている。第三者の商品だけでなく、自社製品も販売。また、教育事業を長年手掛けた経験を生かし、英語教師などをMCとした特色あるライブコマースで人気を集めるようになった。同期の商品総取引額（GMV）は48億人民元、中国版ティックトック「抖音（ドウイン）」での受注数は7020万件に達している。


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