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2023/09/26 10:41

途虎養車が新規上場、初値は公募と同じ28.00香港ドル 無料記事

 自動車アフターサービスの途虎養車(トゥーフー・カー:9690/HK)は上場初日の26日、公募価格と同値の28.00香港ドルで寄り付いた。
 売買単位は100株、公募価格は仮条件(28.00〜31.00香港ドル)下限の28.00香港ドルに決まった。4061万7100株を公開し、手数料などを除く手取り概算で10億8100万香港ドル(約205億円)を調達。オーバーアロットメントを行使した場合の調達額は、12億5400万香港ドルに膨らむ。うち35%を向こう3年間のサプライ・チェーン能力の強化、20%を研究開発を通じたデータ分析技術の強化による業務効率の向上、15%を店舗網およびフランチャイズ(2線都市および市・県)、オペレーション・サポート・チームの拡大、20%を新エネルギー自動車(NEV)ユーザー向けサービスの強化および関連設備投資、残りを運転資金などに充当する。
 中国では自動車保有台数が拡大するとともに、愛車のメンテナンスや修理に頭を悩ますマイカー族も多い。総合ディーラーの4S店は店舗数が少ない上、料金がかさむことがネックだ。道路沿いにある一般的な修理業者に頼むのもサービス面で不安が残る。こうしたマイカー族の不満を解消する手軽な自動車アフターサービスのいわば「コンビニエンスストア」を提供するのが上海市を拠点とする途虎養車だ。
 2011年のサービス開始以来、オン・オフラインの総合自動車サービスプラットフォームを構築。顧客中心モデルと効率的なサプライチェーンを通じて、自動車オーナーの多様な商品・サービスニーズに直接応えるワンストップサービスを展開する。オーナー、サプライヤー、自動車整備工場から成る自動車サービスエコシステムを保有。同社が展開する「途虎工場店」は23年6月末時点で、直営店舗が161店、フランチャイズ店舗が4968店。このほか、全国各地に2万13店のパートナーショップを持ち、大部分の地級市をカバーしている。主力アプリ「途虎養車」とオンライン登録ユーザー数は23年3月末時点で1億200万人。過去12カ月の取引ユーザーは前年同期比9.9%増の1710万人で、平均月間アクティブユーザー数は1020万人となっている。途虎養車の潜在的な成長性を見越し、IPOを前に騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、ゴールドマン・サックス、セコイアキャピタル、ヒルハウスキャピタル、啓明創投、中金投資などの機関投資家が数回にわたり出資している。
 ただ、足元では赤字が続く。19年12月期が34億2827万人民元、20年12月期が39億2820万人民元、21年12月期が58億4480万人民元、22年12月期が21億3831万人民元。売上高はそれぞれ70億4036万人民元、87億5331万人民元、117億2426万人民元、115億4685万人民元だった。


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