9日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比53.41ポイント（0.28％）高の19352.59ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が31.73ポイント（0.49％）高の6571.76ポイントと反発した。売買代金は384億2670万香港ドルと低水準が続いている（8日前場は440億6010万香港ドル）。
　米金利低下が好感される流れ。昨夜の米債券市場では、米金融引き締め長期化の観測が薄らぎ、10年債利回りが低下に転じた。また、金融緩和など、中国経済対策に対する期待感も持続している。ただ、上値は重い。朝方公表された5月の中国物価統計では、消費者物価指数（CPI）が前年同月比プラス0.2％となり市場予想と一致したものの、企業活動の目安となる生産者物価指数（PPI）はマイナス4.6％となり、下落率は市場予想（マイナス4.3％）を上回っている。国内経済の持ち直しが遅れると危ぐし、指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝（1929/HK）が3.9％高、石油グループ大手の中国石油天然気（857/HK）が2.1％高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術（2269/HK）が2.0％高と上げが目立った。周大福珠宝の通期決算は2割減益を強いられたものの、特別配当の実施などが材料視されている。足元の売り上げ回復もプラス。4月1日〜5月31日の売上高は、前年同期比38.1％増と大幅なプラス成長に転じた。
　セクター別では、自動車の一角が高い。五菱汽車集団HD（305/HK）が4.1％、小鵬汽車（9868/HK）が3.8％、吉利汽車HD（175/HK）が1.4％、理想汽車（2015/HK）が1.1％ずつ上昇した。中国商務部は8日、自動車消費を促進するための全国的な販促活動を6〜12月に実施すると発表。幅広い活動を100都市余りで実施すると説明した。
　中国発電セクターもしっかり。華電国際電力（1071/HK）が3.3％高、華能国際電力（902/HK）が2.5％高、華潤電力HD（836/HK）が1.7％高、中国電力国際発展（2380/HK）が0.7％高で引けた。
　半面、医療サービスの銘柄群は安い。医渡科技（2158/HK）が3.1％、阿里健康信息技術（241/HK）が1.9％、平安健康医療科技（1833/HK）が1.8％、京東健康（6618/HK）が1.7％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットは小幅に3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03％高の3214.41ポイントで前場取引を終了した。自動車株が高い。医薬品株、公益株、ハイテク株、運輸株、メディア・娯楽株なども買われた。半面、不動産株は安い。金融株、エネルギー株、素材株、インフラ関連株も売られた。
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