冷凍空調機器部品メーカーの浙江三花智能控制（ジャージャン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ：2050/HK）は上場初日の23日、公募価格を0.70％下回る20.95香港ドルで寄り付いた。
　売買単位は100株、公募価格は仮条件は（21.21〜22.53香港ドル）上限の22.53香港ドル。深セン証券取引所に現在上場している（銘柄コード：002050/SZ）。深センに上場する同社A株の20日終値は24.95人民元（約27.25香港ドル）だった。これに比べて香港IPOの公募価格は、17.32％の割安水準となる。
　H株3億6033万株を公開し、手数料などを除く手取り概算で91億7700万香港ドル（約1710億円）を調達。うち30％を製品ポートフォリオの継続的なグローバル研究開発およびイノベーション、30％を中国における工場の拡張・新設、自動生産水準の向上、25％を海外生産能力の拡充を通じたグローバル事業展開の強化、5％をデジタルスマートインフラの強化、残りを運転資金などに充当する。
　浙江省紹興市を拠点とする同社は空調機器や冷蔵庫、カーエアコン、新エネルギー自動車（NEV）の熱管理に使用される各種バルブや熱交換器などの生産、販売を手がける。冷凍空調機器部品と自動車部品の2大事業分野に注力するとともに、長年の技術蓄積と研究開発のイノベーションを基盤に、バイオミメティクス（生物模倣）ロボットやメカトロニクス・アクチュエーターなどの新興分野において、継続的に事業を拡大している。フロスト＆サリバンによれば、2024年の売上高ベースで、世界最大の冷凍空調制御部品メーカー。世界シェアの約45.5％を占める規模だ。自動車熱管理システム部品の世界シェアは約4.1％で、世界5位にランキングされている。香港メディアによると、自動車関連では比亜迪（BYD：1211/HK）や米テスラ（TSLA/NASDAQ）を顧客に持つ。
　近年はグローバル化を推進。ベトナム、メキシコ、タイの工場で製造、研究開発のレイアウトを最適化し、人材チームの構築を引き続き強化している。
　同社は2005年に深証券取引所にA株上場した（銘柄コード：002050/SZ）。今回香港マーケットに重複上場する。直近3期の売上高は22年12月期が213億4755万人民元、23年12月期が245億5780万人民元、24年12月期が279億4716万人民元。純損益は3期連続の黒字（26億805万人民元、29億3371万人民元、31億1172万人民元）だった。


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