バイオ医薬の薬捷安康（南京）科技（トランスセラ・サイセンシズ・ナンジン：2617/HK）は上場初日の23日、公募価格を64.64％上回る21.65香港ドルで寄り付いた。
　売買単位は500株、公募価格は13.15香港ドルに設定。1528万1000株を公開し、手数料などを除く手取り概算で1億6134万香港ドル（約30億円）を調達した。うち90％を主力候補「Tinengotinib」を用いた胆管がん（CCA）向けの単剤療法について、複数の地域で実施される第3相登録臨床試験、残りを運転資金などに充当する。
　江蘇省南京市を拠点とする同社は、登録臨床段階のバイオ医薬品企業。がん、炎症、心血管代謝疾患に対する小分子創薬の研究・開発に注力している。2014年の設立以来、内製化された統合型研究開発体制を強みに、主力候補「Tinengotinib」（TT00420）を含む6件のパイプラインを構築。うち5件は臨床段階、1件は前臨床段階にある。「Tinengotinib」は、3つの重要な分子標的を抑制する独自の多標的型キナーゼ阻害剤。これまでにFGFR阻害剤による治療歴があり、疾患が進行した胆管がん患者を対象とした2件の重要な臨床・登録試験が進行中だ。ただ同社は現時点で商業販売の承認を受けた製品を持たず、製品販売による収益も発生していない。
　直近2期の売上高は23年12月期が118万人民元、24年12月期はなし。純損益は2期連続の赤字（3億4320万人民元、2億7453万人民元）だった。多額の研究開発費と管理費が利益を圧迫している。


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