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2019/08/22 17:37

香港大引:ハンセン0.8%安で反落、香港銘柄に売り 無料記事

 22日の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比221.32ポイント(0.84%)安の26048.72ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が54.39ポイント(0.53%)安の10122.90ポイントと7日ぶりに反落した。売買代金は784億500万香港ドルとなっている(21日は750億9400万香港ドル)。
 香港経済の先行き不安がくすぶる流れ。香港拠点の東亜銀行(23/HK)は21日の決算報告会で、香港政府と民主派の対立、米中貿易摩擦の長期化などのリスク要因を列挙したうえで、今後は香港経済が落ち込む恐れがあると警告した。また、長江実業集団(1113/HK)の傘下ホテル10軒が従業員に対し、「無給休暇」の取得を奨励していると伝えられている。長引く大規模デモの影響でインバウンド旅客が減少するなか、香港のホテル業界は経営圧力が増している状況だ。
 人民元安の警戒感も再燃。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を2日ぶりに元安方向に設定した。基準値としては、2008年3月以来の元安水準となる7.0490人民元(前日比0.0057人民元の対ドル元安)。上海の外国為替市場では、人民元が直近の元安水準を更新して推移した。
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港関連の下げが目立つ。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が4.1%安、香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)が3.6%安、太古(A)(スワイヤ・パシフィック(A):19/HK)が3.4%安、恒基兆業地産(12/HK)が3.2%安、信和置業(83/HK)が2.5%安で引けた。恒基兆業地産に関しては、中間決算の利益半減もネガティブ。同社は「6月から香港でデモ活動が続くなか、傘下商業施設の売り上げに影響が出ている」と説明した。
 業種別では、マカオ・カジノがさえない。永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が2.0%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)と澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)がそろって1.2%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.1%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、充電電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が6.6%安と急落。年初来安値を切り下げた。成長ペースの鈍化を不安視。同社が発表した中間決算では利益3倍を達成したものの、1〜9月期の増益率に関しては1.8〜14.9%まで大幅低下するとの見通を示している。
 半面、BYDを除いた中国自動車セクターはしっかり。吉利汽車HD(175/HK)が7.6%高、北京汽車(1958/HK)が2.5%高、東風汽車集団(489/HK)が1.9%高、広州汽車集団(2238/HK)が1.6%高と値を上げた。吉利汽車は21日、中間期の4割減益を発表したが、決算説明会で同社総裁は「最悪期は過ぎた」と説明している。
 一方、本土マーケットは小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%高の2883.44ポイントで取引を終えた。消費関連株の上げが目立っている。なかでも、白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)は3.6%高の1104.00人民元に上昇し、上場来高値を更新した。医薬品株、発電株、保険株、インフラ関連株、自動車株の一角も買われている。半面、ハイテク株の一角はさえない。銀行株、不動産株、空運株なども売られた。


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