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2019/09/30 13:35

香港前場:ハンセン0.5%高で反発、上海総合は0.4%下落 無料記事

 週明け30日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比134.07ポイント(0.52%)高の26088.88ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が60.37ポイント(0.59%)高の10209.14ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は362億8100万香港ドルとなっている(27日前場は283億2400万香港ドル)。
 中国の景気テコ入れ期待が強まる流れ。中国人民銀行(中央銀行)は27日夜、金融政策についての発表資料をウェブサイトに掲載し、実質金利を引き下げていく方針を明らかにした。中国景気の過度な減速懸念も後退。朝方公表された中国の経済指標では、9月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が上振れしている(非製造業PMIは予想にはとどかなかったが、景況判断の境目となる50は上回って推移)。また、民間が集計・発表した製造業PMIは、事前予想(50.2)と前月実績(50.4)を上回る51.4。2カ月連続で節目の50を上回り、2018年2月以来の高水準を回復した。米中対立の激化や香港情勢の不透明感を嫌気した売りが先行したものの、指数はほどなくプラスに転じている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)と中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)がそろって2.2%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)と通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)がそろって2.1%高と上げが目立った。時価総額上位の本土系金融株も買われている。
業種別では、中国の不動産がしっかり。上記した華潤置地のほか、首創置業(2868/HK)が2.4%、龍湖地産(960/HK)が1.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)と融創中国HD(1918/HK)がそろって1.3%ずつ上昇した。
 他の個別株動向では、ビールメーカー世界最大手、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD/NYSE)のアジア太平洋部門である百威亜太HD(バドワイザー・ブルーイング・カンパニーAPAC:1876/HK)が本日、香港メインボードに分離上場。公募価格を6.7%上回る28.80香港ドルで前場の取引を終えた。今年の新規株式公開(IPO)としては、世界2位の規模となっている。
 半面、小売や食品・飲料、スポーツ用品など消費関連セクターはさえない。百盛商業集団(3368/HK)が3.2%安、北京京客隆商業集団(814/HK)が1.5%安、中国雨潤食品集団(1068/HK)が3.2%安、康師傅HD(322/HK)が2.0%安、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が2.0%安、李寧(リーニン:2331/HK)が1.5%安と値を下げた。
 そのほか、取引再開したタンカー輸送中国最大手の中遠海運能源運輸(1138/HK)が21.8%安と急落。子会社の大連中遠海運油品運輸有限公司が米財務省・外国資産管理局(OFAC)のブラックリスト入りしたことが売り材料視されている。中遠海運能源運輸は29日、ブラックリスト入りしたとの一部メディア報道が事実であると報告した。
 本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.40%安の2920.46ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が安い。海運株、食品・飲料株、発電株、証券株なども売られた。半面、石油株は高い。医薬品株や銀行株の一角も買われた。
 なお、香港市場はあす10月1日、本土市場は1〜7日が国慶節により休場となる。


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