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2019/09/09 13:27

香港前場:ハンセン0.1%安で反落、上海総合は0.4%上昇 無料記事

 週明け9日前場の香港マーケットは小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比21.38ポイント(0.08%)安の26669.38ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が4.82ポイント(0.05%)安の10425.85ポイントと4日ぶりに反落した。半日の売買代金は406億2900万香港ドルとなっている(6日前場は515億6400万香港ドル)。
 香港情勢の不透明感が投資家心理の重しとなる流れ。「逃亡犯条例」改正案の撤回が発表されて以降も反政府デモに収束はみられず、香港では7〜8日にかけても大規模な抗議デモが行われた。米シティグループは最新リポートで、2019年の香港域内総生産(GDP)成長率予測をこれまでの1.0%から0.6%に0.4ポイント下方修正している。また、中国輸出の低迷もネガティブ。8日に発表された8月の中国貿易統計では、人民元ベースで輸出の伸びが前年同期比2.6%増にとどまり、市場予想(6.3%増)を大きく下回った。
 ただ、下値は限定的。中国当局の景気テコ入れスタンスが好感された。中国人民銀行(中央銀行)は6日夜、全ての銀行に対し、預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表。一部の地方銀行に対しては、10月15日と11月15日の2回に分け、さらに合計1.0ポイント引き下げる。これらにより、市中銀行全体で9000億人民元の資金供給が可能となる見通しだ。
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.4%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)と医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)がそろって2.1%安と下げが目立った。
 香港銘柄の一角もさえない。莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が2.8%安、香港鉄路(MTR:66/HK)と新鴻基地産発展(16/HK)がそろって1.4%安、恒隆地産(101/HK)が1.1%安、信和置業(83/HK)が1.0%安で引けた。化粧品販売店をチェーン展開する莎莎国際に関しては、「従業員の一部に対し、無給休暇の取得を要請したもよう」などと伝えられている。地下鉄運営の香港鉄路トップは、「過去40年来で最大の試練に直面している」とコメントした。
 半面、中国の自動車セクターは高い。吉利汽車HD(175/HK)が4.1%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.6%、広州汽車集団(2238/HK)が2.2%、長城汽車(2333/HK)が1.9%、東風汽車集団(489/HK)が1.7%ずつ上昇した。
 本土マーケットは6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.36%高の3010.51ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が高い。証券株、不動産株、資源・素材株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。医薬品株や消費関連株の一角も売られた。


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