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2019/10/21 13:31

香港前場:ハンセン0.3%高で反発、上海総合は0.01%下落 無料記事

 週明け21日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比86.60ポイント(0.32%)高の26806.18ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が30.02ポイント(0.28%)高の10570.06ポイントとそろって反発した。半日の売買代金は350億9100万香港ドルとなっている(18日前場は391億1800万香港ドル)。
 政策期待が支え。中国景気の先行き不安がくすぶるなか、テコ入れ政策強化の観測が流れている。香港情勢の不透明感などで朝方は売られる場面がみられたものの、中盤から買いの勢いが増した。一方、中国人民銀行(中央銀行)は朝方、新たな指標金利「ローンプライムレート(LPR)」(毎月1回発表)を発表。1年物と5年物の金利を前月から据え置いたが、市場では「年内に引き下げが実施される」との観測が根強く残っている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が5.2%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が1.9%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が1.7%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が1.5%高と上げが目立っている。中国人寿保険については、1〜9月期決算の大幅増益見通しが好感された。万洲国際に関しては、豚生産の回復期待が高まっている。中国科学院生物物理研究所はこのほど、「家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」に有効なワクチンは近く完成する」との見通しを学術論文で明らかにした。同業他社の中国雨潤食品集団(1068/HK)も17.5%高、中糧肉食HD(COFCOミート・ホールディングス:1610/HK)も3.8%高と値を上げている。
 業種別では、中国の保険が高い。上記した中国人寿保険のほか、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.6%、新華人寿保険(1336/HK)が1.9%、中国太平保険HD(966/HK)と中国人民財産保険(PICC:2328/HK)、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)がそろって1.6%ずつ上昇した。
 そのほか、普通株より議決権の多い「種類株」を発行する銘柄が急伸。上海、深センの両取引所は18日、本土・香港間の株式相互取引に関する実施細則を見直し、「種類株」を発行するなど特殊な統治構造を採用している銘柄についても、投資対象に組み入れる方針を明らかにしている。中国スマートフォン大手メーカーの小米集団(1810/HK)が4.8%高、飲食店レビューとデリバリー事業の美団点評(3690/HK)が4.2%高で引けた。美団点評は上場来高値を更新している。
 半面、中国自動車セクターはさえない。華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.2%安、長城汽車(2333/HK)が1.9%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.2%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは、ほぼ横ばい。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.01%安の2937.88ポイントで前場の取引を終えた。証券株が安い。医薬品株、自動車株、資源・素材株なども売られた。半面、不動産株は高い。保険株、銀行株、食品・飲料株の一角も買われた。


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