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2019/07/22 13:37

香港前場:ハンセン0.8%安で反落、上海総合0.6%下落 無料記事

 週明け22日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比222.81ポイント(0.77%)安の28542.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が68.12ポイント(0.62%)安の10841.29ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は360億7100万香港ドルとなっている(19日前場は388億9900万香港ドル)。
 内外環境の不透明感を嫌気。米国で0.5%の大幅利下げ期待が後退するなか、先週末の米株が下げた流れを継いだ。香港で社会不安が依然としてくすぶっていることもマイナス。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正問題を巡り、撤回を求める反対派らは21日夜、再び大規模な抗議行動を展開している。香港の中国政府出先機関「中央駐香港連絡弁公室」(中連弁)前に集結し、本土政府機関に初めて直接抗議した。また、複数のメディアは22日、香港デモが発生以来、足元でインバウンド旅客の伸びが鈍化していると伝えている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産の下げが目立つ。九龍倉置業地産投資(1997/HK)と新鴻基地産発展(16/HK)がそろって2.4%安、新世界発展(17/HK)が1.8%安、恒基兆業地産(12/HK)が1.5%安、信和置業(サイノランド:83/HK)が1.2%安と値を下げた。
 他の個別株動向では、心臓・脳血管薬で国内最大手の四環医薬HD集団(460/HK)が7.9%安。同社は19日引け後、中間業績の赤字転落見通しを発表した。ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(2333/HK)も1.9%安。同社は6月中間期の減益見通しを明らかにした。
 そのほか、電力設備メーカーのハルビン電気(1133/HK)が23.9%安。昨年末に発表したTOB(株式公開買い付け)の不成立を売り材料視した。同社は2018年12月、親会社によるTOB計画を発表。親会社の哈爾濱電気集団は1株当たり4.56香港ドルで同社株を買い付ける方針を示していた。ハルビン電気株の前場終値は2.90香港ドル。
 半面、米中動向の影響を受けやすい銘柄群はしっかり。ブタ肉生産の万洲国際(WHグループ:288/HK)が1.8%高、中国ニット衣料の申洲国際集団HD(2313/HK)が1.3%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が0.7%高と買われた。このほか、半導体の華虹半導体(1347/HK)が3.6%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.0%高と値を上げている。米中対立の軟化が期待された。米中貿易問題に関しては、中国国営メディアが21日、「一部の中国企業は米農産品の輸入準備に入っている」と報道。トランプ米大統領はこれ以前に、「中国は農産品の購入を約束したのに、守られていない」と不満を漏らしていた。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.57%安の2907.44ポイントで前場の取引を終えた。資源・素材株が安い。自動車株、消費関連株、ハイテク株、医薬品株、海運株、証券株なども売られた。半面、銀行・保険株は物色される。空運株、不動産株の一角も買われた。一方、本日取引開始したハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」では、上場25銘柄すべてが急騰。なかでも、半導体セクターの安集微電子科技(688019/SH)は公募価格の5倍に達している。


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