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2019/08/21 17:48

香港前場:ハンセン0.1%高で反発、上海総合は0.02%上昇 無料記事

 21日前場の香港マーケットは小じっかり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比28.98ポイント(0.11%)高の26260.52ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が45.09ポイント(0.44%)高の10177.86ポイントと6日続伸した。半日の売買代金は402億2300万香港ドルとなっている(20日前場は445億7300万香港ドル)。
 人民元安の警戒感がやや薄らぐ。中国人民銀行(中央銀行)は21日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を4日ぶりに元高方向へと設定した。この日の上海外国為替市場では、対米ドルで元高に転じて推移している。好業績銘柄の物色も支え。主要企業の決算報告が本格化するなか、業績改善を明らかにする企業が目立っている。ただ、上値は重い。香港情勢や米中関係の不透明感がくすぶっている。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は20日、抗議行動を続ける民主派に対話を呼びかけたものの、民主派側は即座に拒否した。また、ポンペオ米国務長官は20日、「通信機器の華為技術(ファーウェイ)以外にも、国家安全保障に脅威を与える中国企業がある」と発言している。
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)と医薬品メーカーの石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)がそろって6.1%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.8%高と上げが目立った。中国生物製薬は来週28日に業績報告する予定。石薬集団に関しては、19日に報告した中間決算の25%増益が引き続き材料視されている。華潤置地は中間4割増益と配当増額が改めて材料視された。
 業種別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地のほか、保利置業集団(119/HK)が3.8%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.2%、万科企業(チャイナ・ヴァンカ:2202/HK)が2.5%、首創置業(北京キャピタル・ランド:2868/HK)が1.9%ずつ上昇した。万科企業は20日引け後、中間期の3割増益を公表している。
 他の個別株動向では、「中国版ゆうちょ銀行」の中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.9%高。中間業績の15%増益が好感された。
 半面、香港拠点の銘柄群はさえない。香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)が5.2%安、新世界発展(17/HK)が1.2%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が1.0%安、電能実業(6/HK)と信和置業(83/HK)がそろって0.7%安、恒基兆業地産(12/HK)が0.6%安と下落した。モルガン・スタンレーのストラテジストは最新リポートで、長引くデモ活動による個人消費や観光業へのインパクトに懸念を示し、香港経済がマイナス成長に陥る恐れがあると指摘している。また、ホンコン・チャイナガスについては、中間期の19%減益などがネガティブ材料だ。
 一方、本土マーケットは小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.02%高の2880.52ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が高い。不動産株、海運株、銀行・保険株の一角なども買われた。半面、医薬品株は安い。消費関連株、自動車株、資源・素材株も値下がりした。


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