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2019/09/02 13:24

香港前場:ハンセン0.5%安で3日ぶり反落、上海総合は1.1%上昇 無料記事

 週明け2日前場の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比122.16ポイント(0.47%)安の25602.57ポイントと3日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は3.12ポイント(0.03%)高の10086.32ポイントと小幅ながら3日続伸した。半日の売買代金は364億5800万香港ドルとなっている(8月30日前場は403億5300万香港ドル)。
 香港情勢の不透明感が強まる流れ。政府への抗議行動が続く香港で1日、デモ隊が再び空港に押しかけ、警官隊と衝突した。香港政府が8月30日に公表した今年7月の小売売上高は前年同月比11.4%減。「逃亡犯条例」改正案を巡る大規模なデモや、米中の貿易摩擦が消費マインドに影響し、マイナス成長は6カ月連続となった。また、マカオでは8月のカジノ売上高が2カ月連続で減少。一部メディアはカジノ売上高の落ち込みについて、香港を経由してマカオを訪れる本土旅客が減少した可能性を指摘している。
 米中通商摩擦の激化も懸念。トランプ米政権は9月1日、予定通り約1100億米ドル相当の中国製品に対する追加関税を発動した。中国側も即座に対抗措置を打ち出している。ただ、下値は限定的。上海総合指数の上げ幅拡大をにらみながら、本土株指数はプラス圏で前場を終えた。
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港・マカオ関連の下げが目立つ。信和置業(83/HK)が3.9%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.5%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が3.2%安、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.7%安、中電HD(2/HK)が2.7%安で引けた。
 業種別では、港湾・海運の一角が安い。中遠海運港口(1199/HK)が4.7%、招商局港口HD(144/HK)が2.6%、大連港(2880/HK)が1.0%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.0%ずつ下落した。
 半面、中国証券セクターはしっかり。海通証券(6837/HK)が3.3%高、華泰証券(6886/HK)が2.8%高、中信証券(6030/HK)が1.9%高、中国銀河証券(6881/HK)が1.6%高と値を上げた。業績成長を材料視。上場する本土証券36社の上半期業績では、平均の増収率が52%に達している。
 非鉄セクターも物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が17.3%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.8%、江西銅業(358/HK)が1.6%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が1.3%ずつ上昇した。ニッケル大手の新疆新キン鉱業に関しては、先週末のロンドン金属取引所(LME)でニッケル相場が大幅上昇し、約5年ぶりの高値を付けたことなどが支援材料。廃棄物の流出問題で、パプアニューギニアの中国系ニッケル加工工場の閉鎖可能性が指摘されるなか、需給が引き締まると連想された。
 他の個別株動向では、石炭大手のエン州煤業(1171/HK)が15.5%高と急伸。中間決算の26%増益と配当実施(前年同期はなし)が手がかりになった。
 一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.07%高の2917.13ポイントで前場の取引を終えた。保険・証券株が高い。ハイテク株、運輸株、インフラ関連株、資源・素材株、不動産株なども上げが目立った。


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