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2019/11/04 17:33

香港大引:ハンセン1.7%高で3日続伸、石薬集団4.9%上昇 無料記事

 週明け4日の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比446.54ポイント(1.65%)高の27547.30ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が190.97ポイント(1.80%)高の10813.47ポイントとそろって3日続伸した。ハンセン指数は約3カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は888億1600万香港ドルにやや拡大した(1日は793億9700万香港ドル)。
 米中通商協議の先行き楽観で投資家心理が上向く。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は1日、通商合意「第1段階」の文書署名のため、米中は首脳会談を行うことで調整していると述べた。また、中国商務部は2日、米中両国が電話による貿易協議を1日行い、「原則合意」に達したと発表している。
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.9%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.8%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.7%高と上げが目立っている。時価総額上位の金融株やエネルギー株も買われた。石薬集団と中国生物製薬など医薬品株に関しては、画期的新薬の上市が刺激材料。中国の国家薬品監督管理局は2日、上海緑谷製薬などが開発したアルツハイマー病の新薬「九期一」(GV-971)を条件付きで承認したと発表した。軽・中度の患者を対象とした新薬で、認知機能の改善効果があるという。複数メディアが伝えたところによれば、2019年内にも中国国内で販売を開始する予定だ。今回中国で開発された新薬は、17年の空白期を経てようやく登場した認知症の新薬として期待を集めている。
 業種別では、紙パルプと空運が高い。上記した恒安国際集団のほか、玖龍紙業(2689/HK)が7.7%、理文造紙(2314/HK)が5.0%、中国国際航空(753/HK)が7.2%、中国南方航空(1055/HK)が6.6%、中国東方航空(670/HK)が4.8%ずつ上昇した。人民元高が追い風。空運各社は米ドル建て債務の比率が高く、紙製品各社は原料の多くを輸入しているためだ。この日の上海外国為替市場では、対米ドルの元高が急速に進み、約3カ月ぶりの水準で推移している。
 中国不動産セクターもしっかり。融創中国HD(1918/HK)が4.9%高、中国恒大集団(3333/HK)が4.3%高、中国海外発展(688/HK)が3.0%高、碧桂園HD(2007/HK)が3.2%高、中国金茂HD(817/HK)が2.8%高と値を上げている。不動産市況の底入れ観測が引き続き手がかりになった
 このほか、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)の傘下や業務提携する銘柄群も物色される。医薬品情報サイト運営の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が2.8%高、ハイパーマーケットチェーン展開の高キン零售(サンアート・リテール・グループ:6808/HK)が3.6%高と値を上げた。Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団は1日、予想を上回る7〜9月期決算を発表。関連銘柄の上昇を後押しした。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.58%高の2975.49ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引する。ハイテク株、医薬品株、食品・飲料株、運輸株、インフラ関連株、素材株、自動車株、公益株なども買われた。


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