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2019/05/09 13:33

香港前場:ハンセン2.0%安で続落、上海総合は1.4%下落 無料記事

 9日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比565.56ポイント(1.95%)安の28437.64ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が214.11ポイント(1.93%)安の10883.26ポイントとそろって続落した。半日の売買代金は628億香港ドルとなっている(8日前場は571億8200万香港ドル)。
 米中貿易摩擦の激化を警戒。米通商代表部(USTR)は昨夜、2000億米ドル相当の中国製品に対する輸入関税の引き上げ措置に関し、「10日の午前0時1分(日本時間で午後1時1分)に実施する」と官報で正式に通知した。これに対して中国商務部は、「米側が関税を引き上げた場合、必要な反撃措置を取らざるを得ない」と応じている。ワシントンで9日に再開される米中通商協議に関しては、一部で楽観論が流れているものの、交渉決裂の不安もくすぶる状況だ。
 取引期間中に公表された4月の中国経済統計では、消費者物価指数(CPI)の上昇ペースが予想通り前月から加速し、生産者物価指数(PPI)が予想を上振れている。一方、人民元建て新規融資は予想を下回った。
 ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が7.3%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.4%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が5.0%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.5%安と値下がり率上位に並んだ。
 業種別では、中国の自動車が安い。上記した吉利汽車のほか、北京汽車(1958/HK)が4.6%、長城汽車(2333/HK)が4.2%、広州汽車集団(2238/HK)が3.7%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.4%、東風汽車集団(489/HK)が2.3%ずつ下落した。吉利汽車と東風汽車集団は8日引け後、それぞれ月次統計を発表。4月の新車販売がマイナス成長に転換したとそろって報告した。
 中国の金融セクターも軒並み売られる。中信証券(6030/HK)が4.8%安、華泰証券(6886/HK)が3.6%安、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.9%安、新華人寿保険(1336/HK)が8.5%)が3.4%安、招商銀行(3968/HK)が4.3%安、中国建設銀行(939/HK)が2.3%安と値を下げた。
 空運・海運セクターも急落。中国東方航空(670/HK)が5.9%安、中国国際航空(753/HK)が4.0%安、中国南方航空(1055/HK)が3.6%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が6.1%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.1%安で引けた。米ドル建ての残存社債が多い空運各社に関しては、人民元安の進行がマイナス。この日の上海外国為替市場は、対米ドル相場が今年1月以来の元安水準で推移している。
 本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.35%安の2854.71ポイントで前場の取引を終えた。金融株が下げを主導する。医薬品株、不動産株、運輸株、消費関連株、自動車株なども売られた。半面、ハイテク株の一角はしっかり。


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