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2019/09/17 13:25

香港前場:ハンセン1.0%安で続落、上海総合も1.0%下落 無料記事

 17日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比274.83ポイント(1.01%)安の26849.72ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が107.83ポイント(1.01%)安の10520.42ポイントとそろって続落した。半日の売買代金は330億1700万香港ドルとなっている(16日前場は450億700万香港ドル)。
 香港・中国経済の先行きが不安視される流れ。香港の反政府デモが長期化するなか、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、香港のアウトルック(格付け見通し)を「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に修正した。
 中国の利下げ期待後退もネガティブ材料視された。中国人民銀行(中央銀行)は17日、「中期貸出ファシリティ(MLF)」を通じ資金供給したが、金利は据え置き。市場ではこれ以前に、人民銀がMLF金利の引き下げによって市場金利の低下を促すとの見方が一部で広がっていたが、この期待が外れた格好だ。また、中国では、8月の鉱工業生産や小売売上高の伸びが予想に反して前月実績を下回っている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.6%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.4%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.2%安、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が3.0%安と下げが目立った。
 業種別では、中国の証券・保険が安い。中信証券(6030/HK)と海通証券(6837/HK)がそろって3.0%、新華人寿保険(1336/HK)が2.7%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.2%、中国太平保険HD(966/HK)が1.9%ずつ下落した。
 紙・パルプ、空運セクターもさえない。山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が2.1%安、恒安国際集団(1044/HK)が1.9%安、中国南方航空(1055/HK)が3.4%安、中国国際航空(753/HK)が2.6%安、中国東方航空(670/HK)が2.5%安で引けた。人民元安の動きがマイナス。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社はドル建て債務の比率が高いだけに、業績に対する悪影響が不安視されている。人民銀は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を元安水準に設定。予想以上の元安水準となるなか、上海外国為替市場では、再び元安の動きが強まった。
 他の個別株動向では、携帯端末OEMメーカー大手の富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が18.4%安と急反落した。親会社、台湾・鴻海精密工業(ホンハイ:2317/TW)の郭台銘会長は16日夜、台湾の次期総統選への出馬断念を発表。出馬意向を表明した今年4月時点では、富智康集団株が急騰した経緯がある。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.02%安の2999.84ポイントで前場の取引を終えた。保険・証券株が下げを主導する。ハイテク株、資源・素材株、自動車株、消費関連株、空運株、インフラ関連株、公益株なども売られた。半面、海運株は高い。医薬品株の一角も買われた。


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