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2019/11/21 13:28

香港前場:ハンセン1.6%安で続落、上海総合0.4%下落 無料記事

 21日前場の香港マーケットは大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比433.38ポイント(1.61%)安の26456.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も160.59ポイント(1.51%)安の10458.92ポイントとそろって続落した。半日の売買代金は431億8900万香港ドルとなっている(20日前場は329億3400万香港ドル)。
 香港を巡る米中対立の悪化を不安視。米国の上下両院は「香港人権・民主主義法案」を可決し、トランプ大統領に送付している。一部のメディアは関係者の話として、「大統領は署名する意向」などと伝えた。同法案は、中国が香港に高度の自由を保障する「一国二制度」を守っているかどうか、米政府に毎年の検証を義務付ける内容。制度が機能していないと米国が判断すれば、貿易やビザなどの優遇措置を撤廃できる。香港に拠点を置く外資系企業数は今年6月時点で9000社超。アジアの貿易・金融で最大級のプレゼンスを誇っているだけに、拠点見直しが進めば香港経済の打撃となる。中国外交部は20日、法案が成立すれば報復措置を導入する方針を示唆した。
 また、米中両政府が通商協議で交渉を進めている「第1段階の合意」に関しては、項目が拡大するとの観測が浮上。これに伴い、「年内に成立せず、2020年にずれ込む」との観測も流れている。ただ、劉鶴中国副首相は慎重ながらも「第1段階の合意」を楽観した。
 ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち47が下落)。新世界発展(17/HK)が4.5%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が4.1%安、舜宇光学科技(2382/HK)と万洲国際(WHグループ:288/HK)がそろって4.0%安と値下がり率上位に並んだ。
 業種別では、中国の医薬品が安い。微創医療科学(853/HK)が8.2%、石薬集団(1093/HK)が3.2%、中国生物製薬(1177/HK)が2.9%、四環医薬HD集団(460/HK)が2.0%、上海復星医薬集団(2196/HK)が1.9%ずつ値を下げた。中国政府は医薬品改革を促進し、「集中調達」制度による医薬品購入額の引き下げを進める方針を示している。
 他の個別株動向では、米ラスベガス・サンズ(LVS/NYSE)傘下の金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.1%安。マカオでのカジノ事業免許を更新できない可能性が指摘された。同社の経営トップは「トランプ大統領の“最大の支援者”」として知られるだけに、米中対立の悪影響を受けると警戒されている。
 本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39%安の2899.57ポイントで前場の取引を終えた。医薬品株が安い。金融株、消費関連株、自動車株、不動産株なども売られた。半面、航空・防衛関連株は高い。エネルギー株、発電株、ハイテク株の一角も買われた。



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