16日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比204.97ポイント（0.80％）高の25700.43ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）も71.00ポイント（0.72％）高の9974.41ポイントとそろって3日続伸した。半日の売買代金は487億2100万香港ドルとなっている（15日前場は548億6200万香港ドル）。
　香港政府による域内景気の下支え策などが期待された。陳茂波（ポール・チャン）財政長官は15日、所得税控除の拡大や児童手当の支給など、総額191億香港ドル（約2580億円）規模の景気対策を発表している。また中国では、河北省の保養地、北戴河で習近平国家主席など現役最高指導部が長老らと非公式に意見を交わす「北戴河会議」が終了したもよう。米中貿易摩擦などによる国内経済の先行き不安が強まるなか、中国の政策動向に注目が集まっている。世界景気の減速や米中貿易摩擦の不透明感などで売られる場面がみられたものの、下値は堅く、前引けにかけて指数はプラスに転じた。
　ハンセン指数の構成銘柄では、中国乳業大手の中国蒙牛乳業（2319/HK）が5.4％高、医薬品メーカーの石薬集団（1093/HK）が4.9％高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬（1177/HK）が4.2％高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団（ギャラクシー・エンターテインメント：27/HK）が4.1％高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD（2313/HK）が3.8％高と上げが目立った。香港系の不動産株も軒並み買われている。
　業種別では、食品・飲料や酒造などの消費関連が高い。上記した蒙牛乳業のほか、康師傅HD（ティンイー：322/HK）が4.6％、万洲国際（WHグループ：288/HK）が2.9％、青島ビール（168/HK）が11.5％、華潤ビールHD（291/HK）が7.2％ずつ上昇した。中国ビール2位の青島ビールに関しては、中間決算の25％増益が材料視されている。このほか、香港の繁華街に複合商業施設6件を保有する九龍倉置業地産投資（1997/HK）が2.8％高と続伸した。
　本土系の金融セクターもしっかり。中国平安保険（2318/HK）が3.0％高、新華人寿保険（1336/HK）が2.9％高、中国太平洋保険集団（2601/HK）が2.5％高、華泰証券（6886/HK）が2.2％高、中信証券（6030/HK）が2.1％高、招商銀行（3968/HK）が1.9％高と値を上げている。平安保険に関しては、中間期の7割増益と配当増額が好感された。
　港湾・海運、空運の運輸関連セクターも高い。天津港発展HD（3382/HK）が2.8％高、中遠海運港口（1199/HK）が2.2％高、中遠海運HD（1919/HK）が3.0％高、太平洋航運集団（2343/HK）が1.4％高、国泰航空（キャセイ航空：293/HK）が3.3％高、中国南方航空（1055/HK）が2.7％高で引けた。
　本土マーケットも3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.68％高の2834.85ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が急伸。医薬品株、ハイテク株、自動車株、不動産株、運輸株、保険・証券株なども買われた。


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