19日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比226.10ポイント（0.85％）高の26907.19ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）も81.14ポイント（0.77％）高の10637.70ポイントと続伸した。半日の売買代金は402億5200万香港ドルにやや拡大している（18日前場は377億6800万香港ドル）。
　中国の金融緩和期待が強まる流れ。中国人民銀行（中央銀行）が18日に実施したリバースレポ取引では、およそ4年以上ぶりに金利が引き下げられた。人民銀はあす20日、実質的な政策金利の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」を発表する。LPR金利も2カ月ぶりに引き下げられるとの思惑が広がった。
　香港情勢を巡る警戒感もやや後退。警官隊と反政府派が対峙している香港理工大学では、学校長らの説得により、立てこもった学生のうち300人以上（うち200人あまりが18歳未満）が外に出たと伝わった。繁華街での衝突は続いているものの、政府トップの林鄭月娥（キャリー・ラム）行政長官が「平和的な解決を望む」と発言するなど、最悪期は脱したとの見方も流れている。もっとも、抗議行動は完全に収束したわけではなく、不透明感は依然としてくすぶる状況だ。
　米中通商協議を巡る思惑が交錯するなか、進展内容を見極めたいとするスタンスなどで指数は弱くスタートしたものの、徐々に買いの勢いを増している。
　ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団（1093/HK）が4.4％高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD（AACテクノロジーズ・ホールディングス：2018/HK）が4.0％高、光学部品メーカーの舜宇光学科技（2382/HK）が3.4％高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬（1177/HK）が3.1％高と上げが目立った。時価総額上位の金融株や香港系の不動産株も買われている。
　業種別では、香港の小売関連がしっかり。化粧品販売店をチェーンの莎莎国際HD（ササ・インターナショナル・ホールディングス：178/HK）が3.3％高、香港SOGO運営会社の利福国際集団（1212/HK）が2.5％高、アパレルグループのI.T（999/HK）が1.5％高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝（1929/HK）が1.0％高で引けた。
　中国不動産セクターも高い。華潤置地（1109/HK）が2.8％、雅居楽集団（3383/HK）が2.4％、融創中国HD（1918/HK）が1.9％、万科企業（2202/HK）が1.8％、龍湖地産（960/HK）が1.7％、広州富力地産（2777/HK）が1.6％ずつ値を上げた。
　5Gネットワーク関連の銘柄群も物色される。長飛光繊光纜（6869/HK）が4.4％高、中国通信服務（552/HK）が1.7％高、京信通信系統HD（2342/HK）が1.6％高、中国鉄塔（788/HK）が1.2％高、中興通訊（ZTE：763/HK）が0.9％高と上昇した。中国本土では、5G携帯端末の販売好調が伝えられている。
　本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.46％高の2922.61ポイントで前場の取引を終えた。インフラ関連株が高い。不動産株、医薬品株、ハイテク株、消費関連株、発電株、金融株の一角なども買われた。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。