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2019/05/30 17:40

香港大引:ハンセン0.4%安で続落、本土株指数は0.6%高 無料記事

 30日の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比120.83ポイント(0.44%)安の27114.88ポイントと続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は59.64ポイント(0.57%)高の10450.09ポイントと反発した。売買代金は764億3500万香港ドルにやや縮小している(29日は832億9700万香港ドル)。
 米中貿易戦争の激化による世界経済の悪化が警戒された。米国では10年債利回りの低下傾向が強まり、景気後退の前兆とされる「逆イールド(長短金利の逆転)」の金利差が一段と拡大している。また、指数構成の一部銘柄に配当落ちの下げがあったことも全体相場の重しだ。ただ、大きく売り込む動きは見られない。「中国当局はさらなる景気刺激策を打ち出す」との観測が相場を支えている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー香港大手の恒基兆業地産(ヘンダーソンランド:12/HK)が5.5%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.7%安、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.1%安、都市ガス大手の香港中華煤気(3/HK)が2.9%安と下げが目立った。ただ、それぞれ配当の権利落ちがあるため、株価調整後は下げ率が縮小される(順に2.9%安、3.4%安、0.3%安、1.7%安)。
 業種別では、小売や食品・飲料など消費関連がさえない。統一企業中国HD(220/HK)が1.9%安、中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.7%安、中国旺旺HD(151/HK)が1.6%安、中国雨潤食品集団(1068/HK)が0.9%安と値を下げた。
 半面、中国金融セクターは高い。中国民生銀行(1988/HK)が2.3%、交通銀行(3328/HK)が2.0%、中国工商銀行(1398/HK)が1.3%、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)が2.0%、広発証券(1776/HK)が1.8%、中国華融資産管理(2799/HK)が1.5%ずつ上昇した。
 農業関連セクターも物色される。農機メーカー中国大手の第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が4.7%高、窒素系肥料メーカーの中海石油化学(チャイナ・ブルーケミカル:3983/HK)が4.1%高、トウモロコシ加工の大成生化科技集団(グローバル・バイオ-ケム・テクノロジー:809/HK)が1.7%高、肥料販売で中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)が1.1%高で引けた。中国農業科学院はこのほど、大豆やトウモロコシを中心に主要農産物の自給率を高める必要性に言及した。米中の貿易摩擦問題が深刻化するなか、中国は米国産大豆の輸入比率を落とした実態がある。
 一方、本土マーケットは5日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%安の2905.81ポイントで取引を終えた。保険株が安い。ハイテク株、医薬品株、不動産株、インフラ関連株、空運株も値下がりしている。半面、農業関連株は急伸。エネルギー株、銀行株と公益株の一角も買われた。


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