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2019/09/12 13:30

香港前場:ハンセン0.2%安で3日ぶり反落、上海総合は0.2%上昇 無料記事

 12日前場の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比40.37ポイント(0.15%)安の27118.69ポイントと3日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は30.73ポイント(0.29%)高の10595.74ポイントと続伸した。半日の売買代金は436億1700万香港ドルとなっている(11日前場は455億6800万香港ドル)。 
 香港経済の減速が不安視される流れ。香港デモの余波により、域内企業の業績悪化が警戒される状況だ。香港航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)は11日引け後に報告した月次統計では、8月の旅客数が香港デモの影響もあり11カ月ぶりに縮小。このほかにも、小売業、不動産デベロッパー、交通インフラなど各社の業績に下振れ圧力がかかると予測されている。国泰航空株は0.9%安と反落した。
 もっとも、大きく売り込む動きはみられない。米中対立の緩和期待が強まっている。トランプ米大統領は11日(日本時間12日朝方)、10月1日に導入予定だった追加関税措置(約2500億米ドル相当の中国製品に対する既存の追加関税「第1〜3弾」の税率を25→30%に引き上げる内容)の発動を10月15日まで遅らせると発表した。また、中国当局はこれに先立つ11日、追加関税を課す米製品のうち、潤滑油など16品目の課税を免除することを明らかにしている。
 また、トランプ氏は10日、意見の対立が続いていたジョン・ボルトン大統領補佐官(外交・安全保障を取り仕切る国家安全保障問題担当)を解任したと発表した。中国強硬派としても知られていたボルトン氏が更迭されたことで、外交政策の軟化が意識されている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.6%安、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.3%安と下げが目立った。香港交易所については、巨額の買収案件が不安材料。同社は11日引け後、英ロンドン証券取引所(LSE)グループに買収提案したと発表した。総額296億ポンド(約3兆9400億円)で全株式を取得する計画という。また、中国海洋石油に関しては、昨夜の原油市況安が嫌気された。両銘柄は指数寄与度が大きいだけに、あわせてハンセン指数を51.9ポイント押し下げている。
 このほかにも、香港銘柄の一角もさえない。東亜銀行(23/HK)が2.0%安、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が1.5%安、香港鉄路(MTR:66/HK)と莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)がそろって1.1%安で引けた。
 半面、株価が米中関係に左右されやすい銘柄群は物色される。電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が4.1%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.9%高、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が3.0%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.2%高と値を上げた。
 本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.20%高の3014.80ポイントで前場の取引を終えた。消費関連株が高い。不動産株、自動車株、運輸株、発電株、銀行・保険株やハイテク株の一角も買われた。半面、エネルギー関連株は安い。医薬品株、メディア関連株、証券株の一角も売られた。


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