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2020/01/29 13:23

香港前場:ハンセン2.4%安で急反落、新型肺炎拡大を懸念 無料記事

 春節(旧正月)連休明け29日前場の香港マーケットは大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比660.09ポイント(2.36%)安の27289.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が325.76ポイント(2.97%)安の10650.43ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は683億3200万香港ドルとなっている(半日立会の24日は473億2200万香港ドル)。
 投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、実体経済に対する悪影響が懸念されている。中国国家衛生健康委員会は29日、新型肺炎の患者が中国本土で5974人に増えたと発表(死亡者は132人)。2003年のSARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)感染者数5327人を超えた。米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最新リポートで、新型ウイルスによる肺炎の拡大により、中国の国内総生産(GDP)成長率が下振れる可能性を指摘。春節期間の消費サービス支出が10%減少した場合、2020年のGDP成長率は1.2ポイント押し下げられると試算している。
 一方、中国当局は香港、マカオへの個人旅行を一時停止すると発表した。マカオ旅遊発展局の発表(28日付)によると、春節(旧正月)連休4日目まで(1月24〜27日)の観光客数は前年同期比で69.0%減少している。また、香港を訪れる本土客も急減している状況だ。
 ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。香港系不動産の恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ:101/HK)が5.8%安、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)とマカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)がそろって5.7%安、本土系不動産の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が5.3%安と値下がり率上位に並んだ。
 業種別では、香港の消費関連が安い。莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が8.5%、周大福珠宝(1929/HK)が8.1%、I.T(999/HK)が6.9%、佐丹奴国際(ジョルダーノ・インターナショナル:709/HK)が6.1%ずつ下落した。アパレル販売大手の佐丹奴国際に関しては、通期決算の5割減益見通しを明らかにしたことも嫌気されている。
 海運・空運セクターもさえない。中遠海運HD(1919/HK)が5.9%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.2%安、太平洋航運集団(2343/HK)が4.0%安、中国東方航空(670/HK)が4.2%安、中国南方航空(1055/HK)が3.9%安、中国国際航空(753/HK)が3.0%安で引けた。
 そのほか、映画館やチケット販売など中国のレジャー関連が急落。歓喜伝媒集団(フアンシー・メディア・グループ:1003/HK)が9.7%安、阿里巴巴影業集団(アリババ・ピクチャーズ・グループ:1060/HK)が7.9%安、アイマックス・チャイナHD(1970/HK)が5.9%安、猫眼娯楽(マオイェン・エンターテインメント:1896/HK)が6.5%安と値を下げた。
 一方、本土市場は引き続き春節休場。新型肺炎の拡大を受けて春節休暇が延長されたことに伴い、株式市場も31日まで休場となる(当初は30日まで休場)。取引再開は2月3日。


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