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2019/11/25 17:49

香港大引:ハンセン1.5%高で続伸、不動産セクターに買い 無料記事

 週明け25日の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比397.96ポイント(1.50%)高の26993.04ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が122.71ポイント(1.17%)高の10628.88ポイントとそろって続伸した。売買代金は759億6900万香港ドルにやや拡大している(22日は672億1200万香港ドル)。
 米中通商交渉の進展期待が強まる流れ。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は25日、「米中通商協議の『第1段階合意』は非常に近い」とツイッターの公式アカウントで伝えた。また、習近平・中国国家主席は22日、キッシンジャー元米国務長官と会談。米中関係は「困難と試練に直面している」としたうえで、「正しい方向に進めよう」と語り、両国関係の改善に意欲を見せた。一方、市場で「第1段階合意」が来年にずれ込む可能性があるなどと報じられたことについて、トランプ米大統領は22日、米メディアの電話インタビューで「(米中合意は)潜在的に非常に近づいている」と述べ、同観測を否定している。 
 なお、香港では24日、区議会(地方議会)選挙が実施された。政府に批判的な民主派が圧勝し、全議席の8割超を獲得。親中派が惨敗し、民主派が大躍進したことで、今後政府に対する抗議活動が激しさを増す可能性も指摘されているが、現時点で嫌気する売りはみられない。
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が4.7%高、本土系不動産の碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が3.7%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が3.6%高と上げが目立っている。AIAに関しては、次期総裁に中国平安保険(2318/HK)で共同CEOを務める李源祥氏の起用が決まったことを材料視。一部ブローカーは、今回の人事がAIAの中国本土事業にとってプラスの効果をもたらすと評価した。
 業種別では、中国の不動産が高い。上記した碧桂園のほか、広州富力地産(2777/HK)が8.0%、万科企業(2202/HK)が5.2%、融創中国HD(1918/HK)が4.7%ずつ値を上げた。万科企業の経営トップが23日、2019年の業績は大変好調だと発言。業界全体の支援材料となった。
 ゼネコンや建材、鉄鋼のインフラ建設セクターも物色される。中国中鉄(390/HK)が5.2%高、中国鉄建(1186/HK)が3.7%高、中国建材(3323/HK)が6.2%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.3%高、中国東方集団HD(581/HK)が9.4%高、鞍鋼(347/HK)が2.6%高で引けた。今年は例年より気温が高いことから、本格的な冬場を迎える前に工事を急ぐ傾向が強まっていると伝わった。鋼材・セメント需要は堅調に推移し、価格も上昇傾向が鮮明化している。
 半面、医薬品セクターは売りが続く。四環医薬HD集団(460/HK)が8.2%安、薬明生物技術(2269/HK)が4.0%安、翰森製薬集団(3692/HK)が3.2%安、中国生物製薬(1177/HK)が2.0%安と値を下げた。「中国政府が医薬品購入価格の引き下げを進めている」ことが引き続き売り材料視されている。
 一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.72%高の2906.17ポイントで取引を終えた。金融やエネルギーなどの大型株が相場をけん引する。ゼネコン株、素材株、不動産株、運輸株、自動車株、公益株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬品株、食品・飲料株、メディア関連株も売られた。


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