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2019/05/28 17:41

香港大引:ハンセン0.4%高で反発、吉利汽車4.7%上昇 無料記事

 28日の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比102.72ポイント(0.38%)高の27390.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が13.79ポイント(0.13%)高の10416.55ポイントとそろって反発した。売買代金は1265億8000万香港ドルに拡大している(27日は738億8200万香港ドル)。
 本土株高が支え。中国景気の先行き不安がくすぶるなか売り先行したものの、下値は固く、本土株上昇をにらみながら、香港の各指数もプラスに転じた。中国本土では、海外マネーの流入期待が高まったほか、中国人民銀行(中央銀行)の資金供給がプラス材料となっている。また、米中貿易摩擦による景気悪化を避けるため、間もなく中国当局は一段の景気テコ入れ策を打ち出す――との観測も流れた。中国財政部が27日公表した1〜4月利益は前年同期比で12.6%増にとどまり、1〜3月の15.6%増を下回っている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカー大手の吉利汽車HD(175/HK)が4.7%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.2%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.0%高と上げが目立った。そのほか、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が0.6%高と9日ぶりに反発している。
 業種別では、自動車が高い。中国の広東省政府は27日夜、「自動車購入制限の緩和など、消費拡大に向けた29項目の措置を実施する」方針を公表した。また、吉利汽車の桂生悦CEO(最高経営責任者)は27日の株主総会で、今年上半期の新車販売が厳しい情勢にあることを認めた上で、年後半の回復には期待がもてると説明した。上記した吉利汽車のほか、広州汽車集団(2238/HK)が6.4%、北京汽車(1958/HK)が5.3%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.2%、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.2%、長城汽車(2333/HK)が3.9%ずつ上昇した。
 レアアース・非鉄、セメントなど素材セクターも物色される。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が9.7%高、中国アルミ(2600/HK)が2.9%高、江西銅業(358/HK)が2.7%高、中国建材(3323/HK)が2.8%高、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が2.4%高で引けた。中国稀土に関しては、米国との通商交渉カードとして、中国依存度の高いレアアースを中国側が利用する可能性などが指摘されている。
 中国不動産セクターもしっかり。中国金茂HD(817/HK)が2.8%高、広州富力地産(2777/HK)が2.3%高、華潤置地(1109/HK)が1.9%高、首創置業(北京キャピタル・ランド:2868/HK)が1.7%高、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.5%高、中国海外発展(688/HK)が1.3%高と値を上げた。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%高の2909.91ポイントで取引を終えた。自動車株が急伸。消費関連株、不動産株、医薬品株、運輸関連株、インフラ関連株、素材株、銀行・保険株なども買われた。半導体などハイテク関連の一角もしっかり。


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