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2019/08/14 13:28

香港前場:ハンセン0.5%高で4日ぶり反発、上海総合は0.8%上昇 無料記事

 14日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比135.33ポイント(0.54%)高の25416.63ポイントと4日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も79.59ポイント(0.81%)高の9926.23ポイントと反発した。半日の売買代金は455億4400万香港ドルとなっている(13日前場は451億2300万香港ドル)。
 米中貿易摩擦の過度な警戒感が後退する流れ。米通商代表部(USTR)は13日、中国からの輸入品3000億米ドル分に10%の追加関税を課す制裁措置「第4弾」を9月1日付で発動することに関し、スマートフォンやノートパソコン、ゲーム機、玩具、一部の衣料品などの課税を12月15日に延期すると発表した。また、中国商務部は13日、劉鶴副首相がライトハイザーUSTR代表、ムニューシン米財務長官らと通商問題で電話協議したと公表している。トランプ米大統領は電話協議について、「非常に生産的な内容だった」と評価した。双方の電話協議は、今後2週間以内に再び実施する予定となっている。
 一方、取引時間中に発表された7月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産が大幅に下振れ。米中貿易摩擦を背景に、中国の景気先行きも懸念される状況だ。指標発表後、指数は上げ幅を縮小させている。
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が12.2%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)と国有石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)がそろって3.2%高と上げが目立った。舜宇光学に関しては、中間決算の2割増益が好感されている。また、スマートフォン向けに部品供給する同社にとっては、制裁関税の一部先送りもプラス材料だ。
 業種別では、空運と紙パルプが高い。中国国際航空(753/HK)が4.7%、中国東方航空(670/HK)が4.1%、中国南方航空(1055/HK)が3.1%、理文造紙(2314/HK)が2.5%、玖龍紙業(2689/HK)が1.6%ずつ値を上げた。人民元安の一服がプラス。空運各社は米ドル建て債務の比率が高く、紙製品各社は原料の多くを輸入しているためだ。中国人民銀行(中央銀行)は14日朝方、人民元の対米ドル基準値を10営業日ぶりに元高方向へと設定。この日の上海外国為替市場では、急速に元高が進んでいる。
 中国金融セクターもしっかり。海通証券(6837/HK)が2.2%高、中信証券(6030/HK)が1.3%高、中国民生銀行(1988/HK)が1.8%高、中国銀行(3988/HK)が1.4%高、交通銀行(3328/HK)が1.3%高で引けた。
 家電セクターも物色される。TCL電子HD(1070/HK)が4.4%高、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が1.9%高、海信科龍電器(ハイセンス・ケロン・エレクトリカル:921/HK)が1.6%高、創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)が1.0%高と上昇した。このほか、米国向け売上比率の大きいパソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が2.2%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.0%高と買われている。
 半面、香港に拠点を置く銘柄群はさえない。長江実業集団(1113/HK)と長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)、中電HD(2/HK)がそろって2.1%安、電能実業(6/HK)が1.9%安、長江和記実業(1/HK)が1.4%安と値を下げた。香港では社会混乱の懸念が依然としてくすぶっている。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発した反対派の抗議行動はエスカレートし、香港国際空港では13日夕方、抗議行動参加者と警察が激しく衝突した。域内の混乱により、「香港経済は短期的に景気後退する」と懸念されている。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.78%高の2819.05ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が高い。消費関連株、医薬品株、自動車株、運輸株、金融株なども値上がりした。


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