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2019/05/10 13:34

香港前場:ハンセン0.6%高で3日ぶり反発、上海総合は1.5%上昇 無料記事

 10日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比181.80ポイント(0.64%)高の28492.87ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が65.88ポイント(0.61%)高の10910.94ポイントとそろって3日ぶりに反発した。半日の売買代金は677億300万香港ドルとなっている(9日前場は628億香港ドル)。
 米中通商協議に対する過度な警戒感がやや後退する流れ。トランプ大統領は昨夜、「(習近平国家主席から)素晴らしい書簡を受け取った」と述べ、電話会談の可能性に触れている。日本時間早朝にワシントンで開始された初日の協議は終了し、翌日も継続することが確認された。懸念されている米国の関税引き上げは、「予定通り10日の午前0時1分(日本時間で午後1時1分)に実施する」と関係者が明かしている。指数は前引けにかけて、上げ幅をやや削った。
 マーケットの前引け後、関税は予定通りに引き上げられている。中国側は、相応の措置を取らざるを得ないと応じた。ただ、対話は続けるとも説明している。なお、本日の協議に進展はみられないもよう。米メディアのインタビューに応えた中国の劉鶴副首相は、「事態打開はトランプ米大統領と習近平国家主席次第だ」と語った。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官に対し、これを伝えたという。
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.7%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.6%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.1%高と上げが目立った。舜宇光学科技に関しては、今年4月のスマホ用レンズ出荷が前年同月比で60%増加し、前月の42%から伸びが加速したことが材料視されている。また、中国生物製薬は9日引け後、傘下企業が生産するジェネリック医薬品について、当局から医薬品登録許可書を受領したと報告した。
 業種別では、中国の金融が高い。中信証券(6030/HK)が2.5%、華泰証券(6886/HK)が2.2%、新華人寿保険(1336/HK)が2.4%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.8%、招商銀行(3968/HK)が2.1%ずつ上昇した。
 空運・海運セクターも買われる。中国東方航空(670/HK)が4.0%高、中国国際航空(753/HK)が3.2%高、中国南方航空(1055/HK)が2.4%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.8%高とそろって反発した。
 5G関連銘柄もしっかり。通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が4.5%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が0.7%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が1.3%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が3.6%高、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜(6869/HK)が2.2%高で引けた。
 本土マーケットも3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.50%高の2893.82ポイントで前場の取引を終えた。金融株が上げを主導する。消費関連株、ハイテク株、不動産株、自動車株、運輸株など全業種が上昇した。


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