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2019/10/31 13:24

香港前場:ハンセン1.1%高で3日ぶり反発、上海総合は0.1%下落 無料記事

 31日前場の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比281.37ポイント(1.06%)高の26949.08ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が60.77ポイント(0.58%)高の10539.86ポイントとそろって3日ぶりに反発した。半日の売買代金は434億9900万香港ドルとなっている(30日前場は399億8300万香港ドル)。
 投資家心理が上向く流れ。米金融緩和の継続と米中通商協議の進展に対する期待が追い風となっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨夜、今年3回目の利下げを決定(金融政策で米国に追随する香港でも政策金利を引き下げ)。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で、当面は金利を据え置き、現行の金融政策を継続すると表明した。当面は利上げを検討しないとも言明している。米中通商協議を巡っては、「合意文書の署名が先送りされる」と関係者の話として報じられていたが、「トランプ米大統領は署名を諦めていない」と伝わった。ホワイトハウスの報道官は、11月中旬の合意署名を目指すと説明している。また、中国外交部は30日、近くハイレベルでの通商協議を再開すると表明した。
 なお、中国国家統計局と中国物流購入連合会は朝方、2019年10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.3だったと発表。予想以上に悪化したものの、現時点で嫌気する売りは限定的だ。
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が8.0%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が4.1%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.0%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.6%高と上げが目立った。
 業種別では、半導体や5Gネットワーク関連が高い。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.0%、華虹半導体(1347/HK)が3.4%、中興通訊(ZTE:763/HK)と中国通信服務(552/HK)がそろって3.2%、京信通信系統HD(2342/HK)が2.8%、中国鉄塔(チャイナ・タワー:788/HK)が1.8%ずつ上昇した。中国ではあす11月1日、5G商用サービスが開始される。期待感が先行した格好だ。
 このほか、主要企業の1〜9月期決算発表がほぼ一巡するなか、業績動向を手がかりにした物色もみられる。黒字転換や増益など業績が改善した銘柄群では、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が4.4%高、建機大手の中聯重科(1157/HK)が1.7%高、本土大手行の中国建設銀行(939/HK)が1.1%高などと値を上げた。
 半面、業績が低迷した石油大手2社はさえない。石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.0%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.4%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは小幅ながら3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.09%安の2936.64ポイントで前場の取引を終えた。銀行株が安い。エネルギー株、不動産株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。消費関連株、海運・港湾株、半導体株、保険・証券株なども買われた。



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