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2019/10/25 13:32

香港前場:ハンセン0.4%安で小反落、上海総合は横ばい 無料記事

 25日前場の香港マーケットは小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比119.03ポイント(0.44%)安の26678.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.24ポイント(0.56%)安の10473.61ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は367億7700万香港ドルとなっている(24日前場は346億2200万香港ドル)。
 香港経済の先行き不透明感も改めて意識された。香港の9月輸出は7.3%減となり、予想以上に落ち込んでいる。また、香港人材管理協会が実施した域内企業を対象に実施した最新調査により、2020年の昇給率見通しが10年ぶりの低水準とどまることが判明した。ただ、下値は限定的。米中通商協議の進展期待が持続している。米中両国は25日、閣僚級の電話協議を行う予定だ。注目されていた昨夜のペンス米副大統領講演に関しては、市場で不安視されていたほど過激なものではなかったとの見方が優勢。ペンス氏は香港の民主化デモを巡る中国の対応などを批判する一方で、「中国との対決を求めていない」とし、米中両国は関係を強化する必要があるとの認識を示した。
 ハンセン指数の構成銘柄では、保険事業で中国2位の中国平安保険(2318/HK)が3.5%安、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)と同大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)がそろって1.4%安と下げが目立った。中国平安保険は昨日引け後、1〜9月期決算を発表。純利益は前年同期比で63%増加したものの、新契約価値は伸びが鈍化している。同社株は前日まで、年初来の高値圏で推移していた。
 業種別では、中国の保険・銀行が安い。上記した中国平安保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が1.6%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が0.9%、招商銀行(3968/HK)が1.7%、交通銀行(3328/HK)が1.3%、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.1%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、外食チェーン香港大手の大家楽集団(カフェ・ド・コラル:341/HK)が5.3%安と急落。2019年中間期決算の減益見通しが嫌気された。民主化デモの長期化により、香港では小売、外食、観光業が大きなダメージを受けている状況。域内の消費関連業は、相次いで業績悪化を予告している。
 半面、中国の医薬品セクターはしっかり。康哲薬業HD(867/HK)が5.6%高、石薬集団(1093/HK)が2.3%高、中国生物製薬(1177/HK)が2.0%高、広州白雲山医薬集団(874/HK)が1.0%高で引けた。現地ブローカーのアナリストは最新リポートで、薬価引き下げを狙いとした「集中調達」制度のネガティブ要因は織り込んだとの見方を示している。「各社は新規薬剤の市場投入ペースを速める」とも予測した。
 食品飲料、スポーツ用品、酒造など中国消費関連セクターも物色される。中国雨潤食品集団(1068/HK)が2.2%高、中国旺旺HD(151/HK)が1.1%高、李寧(リーニン:2331/HK)が2.8%高、安踏体育用品(2020/HK)が1.1%高、青島ビール(168/HK)が2.3%高と値を上げた。
 一方、本土マーケットは、ほぼ横ばい。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%安の2940.61ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が安い。銀行・保険株、公益株、エネルギー株の一角も売られた。半面、医薬品株は高い。消費関連株、自動車株、素材株、不動産株、運輸株の一角も買われた。


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