/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/05/31 13:29

香港前場:ハンセン0.2%安で3日続落、上海総合0.01%高 無料記事

 31日前場の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比48.77ポイント(0.18%)安の27066.11ポイントと3日続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は12.17ポイント(0.12%)高の10462.26ポイントと続伸した。半日の売買代金は424億8500万香港ドルとなっている(30日前場は396億5500万香港ドル)。
 米中貿易戦争の激化、長期化に対する警戒感がくすぶる流れ。外電では、「中国は米国向けのレアアース輸出を必要に応じて制限する計画を準備中」と取引時間中に報じられている。なお、朝方公表された今年5月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)は49.4となり、景況判断の境目(50)を3カ月ぶりに割り込んだ。予想(49.9)以上に悪化した点を重視し、市場関係者の間では、「中国当局は経済成長の目標を達成するため、一段の景気対策を打ち出す」との見方が強まっている。政策期待の高まりを受け、朝方はプラス圏で推移した。
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が6.4%安と急落。1銘柄で指数を25.8ポイント押し下げた。ただ、配当の権利落ちがあるため、株価調整後は下げ幅が縮小される(1.2%安)。
 業種別では、香港の不動産がさえない。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.6%安、新世界発展(17/HK)が2.0%安、新鴻基地産発展(16/HK)が1.8%安、恒基兆業地産(12/HK)が1.7%安、信和置業(83/HK)が1.3%安と値を下げている。英不動産コンサルタント会社のナイト・フランクは最新リポートで、米中対立が続けば2019年の香港住宅価格は最大で5%下落するとの見方を示した。
 半面、中国不動産セクターはしっかり。雅居楽集団HD(3383/HK)が3.1%高、中国恒大集団(3333/HK)が2.4%高、中国金茂HD(817/HK)が2.2%高、広州富力地産(2777/HK)が1.8%高、碧桂園HD(2007/HK)が1.3%高と値を上げた。
 ゼネコンや建材、建機のインフラ関連セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が3.0%高、中国中鉄(390/HK)が2.3%高、中国交通建設(1800/HK)が0.6%高、北京金隅(BBMG:2009/HK)が1.7%高、華潤水泥HD(1313/HK)が1.5%高、中聯重科(1157/HK)が1.1%高で引けた。
 他の個別株動向では、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)は3.1%高と続伸している。レアアース相場の上昇期待が続いた。
 一方、本土マーケットは横ばい。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%高の2906.01ポイントで前場の取引を終えた。ハイテク株が高い。発電やガスの公益株、医薬品株、運輸株、インフラ関連株、不動産株、レアアース・非鉄株も買われた。農業関連株も連日で上昇している。半面、金融株の一角はさえない。食品・飲料株、石油株、自動車株も売られた。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース