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2019/11/22 13:29

香港前場:ハンセン0.3%高で3日ぶり反発、上海総合0.6%下落 無料記事

 22日前場の香港マーケットは小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比69.18ポイント(0.26%)高の26536.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も34.22ポイント(0.33%)高の10484.44ポイントとそろって3日ぶりに反発した。半日の売買代金は357億9200万香港ドルにやや縮小している(21日前場は431億8900万香港ドル)。
 買い戻しが先行する流れ。指数は前日までの下げが大きかったこともあり、自律反発狙いの買いが入っている。米中通商交渉を巡る過度な警戒感もやや後退。香港英字紙は21日、「12月に予定されている対中関税の発動は先送りされそうだ」と伝えた。また、米メディアは21日、「中国の劉鶴副首相は先週の電話協議で、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官を北京に招待した」と報道。中国側は「直接会って協議を行いたい」としている。ただ、米中対立の警戒感は根強く、全体として上値は重い。香港の高度な自治を守る「香港人権・民主主義法案」に関しては、トランプ米大統領が署名し、法案が成立するとの観測が広がっている。中国外交部は20日、法案が成立すれば報復措置を導入する方針を示唆した。
 ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)と石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)がそろって1.7%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)と紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)がそろって1.5%高と上げが目立った。
 業種別では、セメントや鉄鋼など素材関連がしっかり。中国建材(3323/HK)が2.5%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.5%高、華潤水泥HD(チャイナ・リソーシズ・セメント:1313/HK)が0.7%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.4%高で引けた。セメント株は、製品価格が足元で急騰していることが手がかり。鉄鋼株は、製品消費の高い伸びが引き続き好感された。
 他の個別株動向では、飲食店レビューとデリバリー事業の美団点評(3690/HK)が8.2%高と急伸。7〜9月期決算の黒字転換が材料視された。
 半面、医薬品セクターの一角はさえない。四環医薬HD集団(460/HK)が2.0%安、康哲薬業HD(867/HK)が1.8%安、上海復星医薬集団(2196/HK)が1.5%安、中国生物製薬(1177/HK)が1.2%安と値を下げた。中国政府が「集中調達」制度などにより、医薬品購入額の引き下げを進める方針を示したことが引き続き売り材料視されている。
 このほか、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.9%安と売りが続く。同社が公表した中間決算では、香港デモが響き、純損益が赤字に転落した。業績悪化を受けて、店舗網の整理に着手するとも伝わる。今後1年間で香港の店舗30店を閉鎖し、家賃コストの削減を図る方針だ。
 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.59%安の2886.47ポイントで前場の取引を終えた。医薬品株が安い。消費関連株、ハイテク株、不動産株、自動車株、保険株なども売られた。半面、セメントや非鉄の素材株は高い。産金株、銀行株の一角も買われた。


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