中国でこのところ、ラクダの乳「キャメルミルク」に注目が集まっている。オンラインショップや実店舗で「糖尿病に効く」「新生児によい」などと宣伝され、牛乳やヤギの乳「ゴートミルク」の何倍もの価格がついているが、売れ行きは好調だという。広州日報が15日付で伝えた。
　国連食糧農業機関（FAO）によると、キャメルミルクはビタミンCやビタミンB、不飽和脂肪酸、鉄分が豊富。ビタミンCの含有量は牛乳の3倍だが、脂肪分は牛乳より少ないという。中国のネット上で売られているキャメルミルクは海外産は主にドバイ、国内産は新疆ウイグル自治区。価格は全般に牛乳の数倍以上で、1リットル当たり19米ドル（約2100円）と高額なものもある。
　中国でキャメルミルクは「アレルギー源を含まないため、新生児によい」「血糖値を下げて糖尿病を治す」などと宣伝されている。一方、専門家は「栄養面では優れているが、生産量が少なく、生産設備の衛生面でも不安があるため、新生児に敢えて飲ませる必要はない」と指摘。「糖尿病患者によい」との宣伝については「患者の免疫力を一定程度高める効果はあるが、糖尿病を治す効果はない」と説明する。今後、生産量が増えれば価格が下がり、ある程度普及する可能性はあるが、一般的に受け入れられるにはまだ時間がかかると乳業関係者は見ている。


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