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2019/05/06 17:37

香港大引:ハンセン2.9%安で3日ぶり急反落、米中通商協議に不透明感 無料記事

 週明け6日の香港マーケットは大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比871.73ポイント(2.90%)安の29209.82ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が341.39ポイント(2.95%)安の11233.66ポイントとそろって3日ぶりに反落した。ハンセン指数は終値ベースで、3月29日以来の安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1372億5900万香港ドルと、前営業日からほぼ倍増した(3日は667億1700万香港ドル)。
 米中貿易交渉の不透明感が強まる流れ。トランプ米大統領は5日、自身のツイッターに「対中関税を引き上げる」と投稿した。いったん棚上げされていた「2000億米ドル相当の中国製品に対する関税を10%→25%に引き上げる」措置に関し、10日に実施すると表明している。米中両政府は今週8日に閣僚級の通商協議をワシントンで再開する予定だが、複数の米メディアは政府関係者の話として「中国は協議の中止を検討中」と報じた(ただ、中国外交部は本日午後、交渉団は訪米の準備をしていると表明)。これまで「通商合意は近い」との見方が強まっていただけに、投資家の間に失望感が一気に広がっている。
 ハンセン指数の構成銘柄は全面安。電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が8.4%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.1%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が6.8%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)と生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)がそろって6.1%安と値下がり率上位に並んだ。創科実業と万洲国際は米国での売り上げが大きいこともあり、米中関係の悪化懸念がネガティブ材料となっている。
 業種別では、中国の金融が安い。上記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が8.5%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.7%、海通証券(6837/HK)が8.2%、華泰証券(6886/HK)が8.1%、招商銀行(3968/HK)が3.3%ずつ下落した。
 空運や海運の運輸セクターも下げが目立つ。中国南方航空(1055/HK)が10.3%安、中国国際航空(753/HK)が10.2%安、中国東方航空(670/HK)が8.2%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)と中遠海運HD(1919/HK)がそろって7.9%安で引けた。米ドル建ての債券が多い空運各社に関しては、人民元安の進行がマイナス。この日の上海外国為替市場は、人民元の対米ドル相場が大幅な今年1月以来の元安水準で推移している。
 5G関連銘柄も急落。通信設備の中興通訊(ZTE:763/HK)が8.8%安、京信通信系統HD(2342/HK)が7.8%安、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が3.7%安、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が4.6%安、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜(6869/HK)が5.1%安と売られた。
 メーデー連休明けの本土マーケットも急反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比5.58%安の2906.46ポイントで取引を終えた。金融株の主導でほぼ全面安。ハイテク株、運輸株、インフラ関連株、不動産株、消費関連株、自動車株などに売りが目立っている。


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