24日前場の香港マーケットは値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比586.69ポイント（1.92％）安の30045.95ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が270.33ポイント（2.27％）安の11639.30ポイントとそろって反落した。半日の売買代金は1790億4500万香港ドルに拡大している（23日の前場は1493億800万香港ドル）。
　投資家心理が悪化する流れ。「印花税」（証券取引時の印紙税）が引き上げられる――との観測が流れる中、マーケット参加者の意欲減退が懸念された。また、米国でハイテク株売りが継続していることもマイナス材料として意識されている。経済活動正常化の期待などで朝方は小高く推移したものの、程なくマイナスに転じ、前引けにかけて下げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所（香港証券取引所：388/HK）が5.4％安と続落。一時は9.3％安と下げた。同社は本日、期末決算を公表する。そのほか、石油生産大手の中国海洋石油（CNOOC：883/HK）が6.0％安、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品（ANTAスポーツ・プロダクツ：2020/HK）が5.4％安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業（2319/HK）が5.3％安と下げが目立った。
　「ニューエコノミー」関連も急落。ITやハイテクで構成されるハンセン科技指数は3.6％安と5日続落している。組み入れウエート上位の銘柄では、快手科技（クアイショウ・テクノロジー：1024/HK）が7.9％安、美団（メイトゥアン：3690/HK）が4.7％安と値を下げている。
　今月に入ってからの上げが目立っていた非鉄（レアアース）関連も安い。五鉱資源（1208/HK）が14.1％、江西銅業（358/HK）が11.4％、中国稀土HD（チャイナ・レア・アース：769/HK）が7.8％、金川集団国際資源（2362/HK）が6.8％、中国アルミ（チャルコ：2600/HK）が6.2％、江西カン鋒リ業（ガンフェン・リチウム：1772/HK）が4.5％、洛陽モリブデン集団（3993/HK）が3.6％ずつ下落した。
　自動車セクターもさえない。長城汽車（2333/HK）が7.9％安、比亜迪（BYD：1211/HK）が5.9％安、吉利汽車HD（175/HK）が4.9％安、東風汽車集団（489/HK）が3.1％安、広州汽車集団（2238/HK）が2.7％安、華晨中国汽車HD（1114/HK）が2.2％安で前場取引を終えた。
　半面、香港に拠点を置く銘柄群の一角はしっかり。莎莎国際HD（ササ・インターナショナル・ホールディングス：178/HK）が7.3％高、卓悦HD（ボンジュール・ホールディングス：653/HK）が2.5％高、香港中華煤気（ホンコン・チャイナガス：3/HK）が2.3％高、中電HD（CLPホールディングス：2/HK）が1.9％高、香港鉄路（MTR：66/HK）が1.0％高と値を上げた。莎莎国際や卓悦など小売株については、香港政府が近く電子商品券を配布する――との観測が刺激材料となっている。莎莎国際は約1年半ぶりの高値水準を回復した。
　旅行やカジノなどレジャー関連の一角も物色される。縦横遊HD（WWPKGホールディングス：8069/HK）が10.9％高、北京首都国際機場（北京国際空港：694/HK）が5.2％高、同程芸龍HD（トンチェン・イーロン・ホールディングス：780/HK）が3.9％高、香港上海大酒店（香港上海ホテル：45/HK）が2.4％高、上海錦江国際酒店集団（2006/HK）が1.3％高、新濠国際発展（メルコ・インターナショナル：200/HK）が2.4％高で引けた。
　一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.15％安の3579.95ポイントで取引を終了した。食品飲料株が安い。自動車株、小売株、素材株、医薬品株、エネルギー株、銀行・保険株、ハイテク株なども売られた。



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