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2020/10/15 13:39

香港前場:ハンセン1.3%安で3日ぶり反落、上海総合は0.1%上昇 無料記事

 15日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比316.65ポイント(1.28%)安の24350.44ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が74.71ポイント(0.75%)安の9846.06ポイントとそろって3日ぶりに反落した。半日の売買代金は725億5500万香港ドルに縮小している(14日前場は911億6800万香港ドル)。
 米中関係の悪化懸念がくすぶる流れ。外電は14日、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下で、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を展開するマ蟻科技集団(アント・グループ)について、米政権が禁輸措置対象リスト(エンティティ・リスト)に加えることを検討していると報じた。また、欧州や米国で、新型コロナウイルス感染が再び拡大していることもネガティブ材料視されている。
 なお、足元で報告された9月の中国経済統計はまちまちの内容。中国人民銀行(中央銀行)が14日公表した金融統計では、新規融資が予想以上に拡大した。また、マネーサプライも予想以上に伸びている。半面、朝方発表された物価統計では、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)が2.1%下落し、予想(-1.8%)を超えてマイナス率が拡大した。(亜州リサーチ編集部)
 ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連が急落。ハンセン科技指数は2.6%安と3日ぶりに反落した。組み入れ上位銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.2%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.9%安、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が3.5%安で取引を終えている。アリババとテンセントは前日、上場来高値をそろって更新していた。
 ハンセン指数の構成銘柄では、上記したアリババやテンセントのほか、 医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.1%安、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が2.9%安、マカオカジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.7%安と下げが目立った。
 小売や外食など香港拠点の消費関連もさえない。永旺百貨(イオン・ストアーズ・ホンコン:984/HK)が3.1%安、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)と周大福珠宝(1929/HK)がそろって1.5%安、太興集団HD(6811/HK)が4.4%安、大家楽集団(カフェ・ド・コラル:341/HK)が1.0%安で引けた。
 半面、中国の銀行セクターはしっかり。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が2.9%高、招商銀行(3968/HK)と中国民生銀行(1988/HK)がそろって2.0%高、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.9%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.2%高と値を上げた。
 業績動向を手がかりにした個別株物色もみられる。1〜9月期決算の増益見通しを手がかりに、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.9%高、建機大手の中聯重科(1157/HK)が1.0%高と上昇した。そのほか、鉄鋼メーカーの鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が10.5%高と急伸。1〜9月期は減益を強いられるものの、直近の3Qベースでは大幅増益になるとの予測が好感された。
 一方、本土マーケットは小幅ながら反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%高の3344.25ポイントで前場の取引を終えた。金融株が高い。エネルギー株、自動車株なども買われた。半面、医薬品株は安い。ハイテク株、食品飲料株、運輸株、インフラ関連株、素材株、公益株も売られた。




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