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2021/08/11 13:27

香港前場:ハンセン0.2%高で3日続伸、上海総合は0.3%上昇 無料記事

 11日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比55.42ポイント(0.21%)高の26661.04ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.48ポイント(0.56%)高の9552.66ポイントとそろって3日続伸した。半日の売買代金は859億8610万香港ドルとなっている(10日の前場は833億4360万香港ドル)。 
 内外の経済対策に期待感が先行する流れ。米議会上院は10日、インフラ整備に5年間で合計1兆米ドルを投じる超党派のインフラ投資法案を可決した。成立には下院の可決が必要となるものの、実現に向け前進している。中国でも、経済回復の腰折れを回避するため、政府が一段の景気テコ入れ策を打ち出すとの観測が高まる状況だ。商品市況高も関連銘柄などにとって追い風となっている。昨夜のNY市場ではWTI原油先物が2.7%高と急反発し、ロンドン金属取引所(LME)では銅やアルミなど主要な商品が軒並み上昇した。ただ、全体としては上値が重い。新型コロナウイルス感染拡大が逆風だ。直近の1日当たり中国新規感染は、今年2月以降で最多を記録した。感染力の強いデルタ株が広がりを見せる中、移動制限も強化されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、本土系不動産の上げが目立つ。中国海外発展(688/HK)が8.7%高、華潤置地(1109/HK)が7.3%高、龍湖集団HD(960/HK)が6.3%高、碧桂園HD(2007/HK)が3.0%高で引けた。指数銘柄以外では、中国恒大集団(3333/HK)が8.5%高。同社は昨日引け後、一部資産の売却に向け、独立第三者と交渉を進めていることを明らかにした。財務不安がやや後退している。
 本土系銀行セクターも高い。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が5.7%、招商銀行(3968/HK)が3.1%、中国建設銀行(939/HK)が2.0%、中国工商銀行(1398/HK)が1.6%ずつ上昇した。銀行の不良債権比率が改善。中国銀行保険監督管理委員会の発表(10日付)によると、国内商業銀行の不良債権比率は2021年6月末時点で1.76%となり、3月末の1.80%から0.04ポイント低下した。
 石油・石炭セクターもしっかり。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.4%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.7%高、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.6%高、中国中煤能源(1898/HK)が4.1%高、エン州煤業(1171/HK)が1.7%高と値を上げた。
 非鉄やセメント、鉄鋼など景気動向に敏感な素材セクターも物色される。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.0%高、江西銅業(358/HK)が2.1%高、中国建材(3323/HK)が2.9%高、北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が2.1%高、鞍鋼(347/HK)が5.1%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.3%高で前場取引を終えた。
 半面、医薬品セクターは安い。康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が10.4%、上海復星医薬集団(2196/HK)が9.9%、四環医薬HD集団(460/HK)が1.9%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が1.6%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは小幅ながら3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%高の3539.48ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。エネルギー株、銀行株、インフラ建設関連株、運輸株なども買われた。半面、医薬品株は安い。食品飲料株、ハイテク株、自動車株も売られた。



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