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2021/08/09 13:24

香港前場:ハンセン0.9%高で3日ぶり反発、上海総合は1.0%上昇 無料記事

 週明け9日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比245.01ポイント(0.94%)高の26424.41ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が90.68ポイント(0.98%)高の9364.23ポイントとそろって3日ぶりに反発した。半日の売買代金は887億8900万香港ドルとなっている(6日の前場は843億7820万香港ドル)。 
 中国の景気テコ入れ策が期待される流れ。中国景気の回復ペース鈍化が懸念される中、当局は経済対策を強める――との見方が強まった。先週7日に発表された今年7月の貿易統計では、輸出と輸入の伸び率が予想以上に前月から鈍化している。指標下振れを嫌気した売りが先行したものの、下値は堅く、指数はほどなくプラスに転じている。なお、朝方公表された7月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がそれぞれ予想を上回った。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が5.8%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)と中国政府系デベロッパーの華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)がそろって5.2%高と上げが目立った。美団に関しては、中国当局が「独占禁止法」違反で10億米ドル(約1100億円)の罰金を科すもよう――と伝わったが嫌気する売りは限定されている。すでに予想されていたことに加え、罰金額が阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)に過去に科せられた額を大幅に下回ったことが買い安心感につながった。
 セクター別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地のほか、万科企業(2202/HK)が8.5%、融創中国HD(1918/HK)が7.5%、中国恒大集団(3333/HK)が7.1%、碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が5.1%、中国海外発展(688/HK)が4.5%ずつ上昇した。
 中国の金融セクターもしっかり。招商銀行(3968/HK)が5.1%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が4.8%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.7%高、中国平安保険(2318/HK)が2.3%高で引けた。
 半面、中国自動車セクターの一角はさえない。長城汽車(2333/HK)が4.1%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.9%安、広州汽車集団(2238/HK)が1.3%安、東風汽車集団(489/HK)が0.9%安で前場取引を終えた。各社が報告した月次営業実績では、新車販売動向の落ち込みが確認されている。
 そのほか、Eコマース国内最大手のアリババが2.7%安。当局はネット業界に対する優遇税制を縮小する見通し――と伝わる中、アリババは投資家に対し、税負担の増加を警告した。
 一方、本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.95%高の3490.91ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。金融株、食品飲料株、エネルギー株、医薬品株、空運株なども買われた。半面、半導体株は安い。自動車株、非鉄株も売られた。


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