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2021/09/08 17:51

香港大引:ハンセン0.1%安で3日ぶり反落、中国経済対策の期待などで下値は限定 無料記事

 8日の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比32.70ポイント(0.12%)安の26320.93ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が18.83ポイント(0.20%)安の9449.39ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1521億9560万香港ドルとなっている(7日は1448億2940万香港ドル)。
 外部環境の不透明感が嫌気される流れ。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、2021年の米経済成長率予想を6.0→5.7%に引き下げた。米国では経済指標も足もとで弱いものが多く、「景気回復はピークを過ぎた」との見方も一部で広がっている。また、ハンセン指数はこのところの上昇で8月13日以来の高値水準を回復しているだけに、戻り待ちの売り出たようだ。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国貿易統計の上振れ、経済対策の期待感が引き続き相場の支えとなっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が5.2%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.5%安と下げが目立った。創科実業は米国向け売上比率が高く、万洲国際は米国でも事業展開している。
 セクター別では、ゼネコンや建材、建機などインフラ建設関連がさえない。中国交通建設(1800/HK)が2.2%安、中国鉄建(1186/HK)が2.1%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.0%安、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が2.1%安、中聯重科(1157/HK)が3.1%安、中国龍工HD(3339/HK)が2.7%安と値を下げている。同セクターはこのところ、インフラ投資の加速期待を手がかりに上昇が目立っていた。
 半導体セクターも安い。華虹半導体(1347/HK)が6.9%、晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が6.3%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.3%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が1.8%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が1.6%ずつ下落した。国策半導体産業振興ファンドが今月に入り、保有する華虹半導体株の一部を放出していたことが判明。投資家に不安が広がった。
 半面、エアラインや空港、カジノ、旅行代理店などレジャー関連は高い。中国東方航空(670/HK)が2.6%、中国南方航空(1055/HK)が2.4%、中国国際航空(753/HK)が1.7%、海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が6.8%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が5.0%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.5%、縦横遊HD(WWPKGホールディングス:8069/HK)が24.1%、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が4.1%ずつ上昇した。旅行予約プラットフォーム最大手の携程網(TCOM)が発表したところによれば、中秋節連休の省境を超える旅行は予約が急増している。
 海上輸送やコンテナ生産・リースの海運セクターもしっかり。太平洋航運集団(2343/HK)が5.8%高、東方海外(オリエント・オーバーシーズ:316/HK)が3.1%高、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が3.0%高、中遠海運HD(1919/HK)が1.9%高、勝獅貨櫃(シンガマス・コンテナ:716/HK)が8.5%高、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が5.2%高、中遠海運発展(2866/HK)が4.6%高で引けた。東方海外は上場来高値を更新している。
 一方、本土マーケットは3日ぶり小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%安の3675.19ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。医薬品株、ハイテク株、銀行・保険株やインフラ関連株の一角なども売られている。半面、発電株は高い。素材株、エネルギー株、海運株、不動産株、証券株も買われた。



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