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2021/07/19 13:34

香港前場:ハンセン1.6%安で3日ぶり反落、上海総合は0.3%下落 無料記事

 週明け19日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比446.26ポイント(1.59%)安の27558.42ポイントと3日ぶりに反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が168.87ポイント(1.66%)安の9984.08ポイントと続落した。半日の売買代金は835億5360万香港ドルとなっている(16日の前場は758億7050万香港ドル)。 
 投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。世界的な新型コロナウイルス感染再拡大により、世界経済の回復遅れが危ぐされている。感染力の強い変異種(デルタ株)が広がる米国では、一部の地域でマスク着用の義務化が再度発令された。オーストラリアやベトナム、日本などの一部地域でも、再び厳格な行動規制が実施されている。米中対立激化の警戒感もくすぶる状況。バイデン米政権は16日、香港国家安全維持法(国安法)が香港で事業展開する外国企業に悪影響を及ぼすと警告した。また、米政権はオランダ半導体製造設備大手ASMLが中国に最先端EUV(極端紫外線)露光装置を売却することを阻止する意向だとも伝わっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が4.4%安、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.1%安、豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.0%安と下げが目立った。
 「ニューエコノミー」関連銘柄も急落。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は2.1%安と3日続落した。主要な構成銘柄では、上記した美団のほか、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が4.8%安、百度集団(バイドゥ:9888/HK)が4.1%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.7%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.4%安で前場取引を終えている。
 中国不動産セクターも安い。中国恒大集団(3333/HK)が7.1%、華潤置地(1109/HK)が3.0%、融創中国HD(1918/HK)が2.8%、万科企業(2202/HK)が2.6%、碧桂園HD(2007/HK)が1.8%ずつ下落した。債権行である広発銀行が裁判所に対し、恒大集団資産の保全を申請したもよう――と報じられたことなどが売り材料視されている。
 中国金融セクターもさえない。招商銀行(3968/HK)が2.2%安、交通銀行(3328/HK)が2.1%安、中国建設銀行(939/HK)が1.6%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.6%安、中国人寿保険(2628/HK)が1.9%安で引けた。
 他の個別株動向では、スマートフォン部品メーカーの丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が13.2%安。同社は中間期の大幅増益を見込むと発表したが、カメラモジュールの21年出荷見通しについては下方修正した。通期業績の不振が警戒されている。
 半面、アルミニウム中国最大手の中国アルミ(チャルコ:2600/HK)は4.1%高と急伸。同社は16日引け後、中間期の純利益が前年同期比で84倍に拡大するとの見通しを示した。また、上海市政府系投資会社の上海実業HD(上海インダストリアル:363/HK)は2.5%高。同社の中間業績に関し、前年同期比で95〜110%増加するとの見通しを明らかにした。そのほか、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が3.1%高。同社は16日引け後、カナダ同業のミレニアル・リチウムを買収すると発表した。業容の拡大が期待されている。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.31%安の3528.16ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。金融株、ハイテク株、資源・素材株、消費関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。運輸株も買われた。


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