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2021/09/10 13:33

香港前場:ハンセン1.7%高で3日ぶり反発、上海総合は0.4%上昇 無料記事

 10日前場の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比423.24ポイント(1.65%)高の26139.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が186.61ポイント(2.03%)高の9370.19ポイントとそろって3日ぶりに反発した。半日の売買代金は896億6220万香港ドルとなっている(9日の前場は801億9740万香港ドル)。
 ゲーム規制の過度な警戒感が後退している。香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは9日夜、同紙が「中国政府は、オンラインゲームの審査・承認を一時的に停止したもよう」と報道したことに関し、審査の「一時停止」から「遅延」に記事内容を訂正した。産業引き締めの不安が払しょくされたわけではないものの、ひとまず落ち着きをみせている。前日に8.5%安と急落した騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は1.7%高と反発で前場を終えた。
 経済対策の期待感も根強い。中国人民銀行(中央銀行)は9日、中小零細企業の低利借り換えを促すため3000億人民元の資金枠を設けると発表した。市場では、「早ければ9月中にも預金準備率や政策金利が引き下げられる」との観測も流れている。なお取引時間中に、米中首脳が電話会談したと報じられた。中国国営メディアによれば、両国関係などについて戦略的に協議し、実務者レベルの対話を増やす方針で合意したようだ。香港の各指数は前引けにかけて上げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が6.3%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.2%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が3.9%高と上げが目立った。
 セクター別では、非鉄が高い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.5%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.0%、江西銅業(358/HK)が3.8%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が1.9%ずつ上昇した。市況高が追い風。昨夜のロンドン金属取引所(LME)では、主要な産品が軒並み上昇した。なかでもアルミ先物は、約13年ぶりの高値水準を連日で切り上げている。
 中国証券セクターもしっかり。中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が3.1%高、華泰証券(6886/HK)が2.9%高、中信証券(6030/HK)が2.4%高、海通証券(6837/HK)が2.2%高、広発証券(1776/HK)が2.1%高と値を上げた。本土株市場の活況がプラス。上海・深セン市場の売買代金が前日まで、37日連続で節目の1兆人民元を上回る中、手数料収入の伸びが意識された。
 中国不動産セクターも物色される。龍湖地産(960/HK)が3.6%高、華潤置地(1109/HK)が3.3%高、融創中国HD(1918/HK)が2.6%高、広州富力地産(2777/HK)が2.4%高で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%高の3709.05ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。金融株、食品飲料株、素材株、不動産株、海運株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。自動車株、医薬品株、公益株も売られた。


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