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2020/03/06 13:35

香港前場:ハンセン2.2%安で反落、上海総合1.0%下落 無料記事

 6日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比574.44ポイント(2.15%)安の26193.43ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は240.04ポイント(2.24%)安の10488.03ポイントと3日ぶりに反落した。半日の売買代金は580億8000香港ドルとなっている(5日の前場は631億2600万香港ドル)。
 リスク回避スタンスが強まる流れ。新型コロナウイルスを巡っては、欧州や米国など中国以外の主要経済大国で感染の増加ペースが拡大し、ヒトやモノの移動も制限される状況だ。世界経済の成長に、下押し圧力が増すと懸念されている。「外資の中国撤退が加速する」との見方も流れた。国際通貨基金(IMF)の専務理事は4日、4月に改訂予定の2020年世界成長率予測について、1月時点の3.3%予測から2%台に引き下げる可能性を指摘。国際機関や民間シンクタンクなどは、相次いで慎重な見通しを示している。昨夜の欧米市場では、主要株価指数が軒並み急落した。
 ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち48が下落)電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.3%安、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が3.8%安、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が3.7%安と値下がり率上位に並んだ。
 セクター別では、空運が安い。中国東方航空(670/HK)が4.1%、中国南方航空(1055/HK)が3.8%、中国国際航空(753/HK)が3.6%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が3.2%ずつ下落した。新型コロナ感染拡大の影響により、世界中で運休・減便が増加している。中国で旅行予約サイトを運営する同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)も2.3%下げた。
 マカオのカジノ関連セクターもさえない。金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.6%安、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.4%安、美高梅中国(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が3.2%安、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が3.0%安、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.7%安で引けた。
 半面、医薬品セクターは高い。中国医療集団(チャイナ・ヘルス・グループ:8225/HK)が67.5%、翰森製薬集団(3692/HK)が4.1%、中国生物製薬(1177/HK)が2.1%、三生製薬(1530/HK)が1.7%、石薬集団(1093/HK)が1.4%ずつ上昇した。医薬品の研究開発を手がける中国医療集団に関しては、新型コロナ治療薬の思惑が高まっている。同社関連企業の生産するHIV治療薬「リトナビル(Ritonavir)」が効果を発揮することが確認されるなか、複数の国から引き合いがきていると伝わった。同関連会社は過去に「リトナビル」を生産したことのある中国唯一の会社で、世界でも製造できるメーカーは、米アッヴィを含めて2社に限られる。
 一方、本土マーケットは5日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.98%安の3041.65ポイントで前場の取引を終えた。金融株が下げを主導する。運輸株、不動産株、自動車株、公益株、資源・素材株、ハイテク株なども売られた。半面、医薬品株は高い。テレワーク関連株、食品飲料株の一角も買われた。



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