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2021/09/15 13:34

香港前場:ハンセン1.0%安で3日続落、上海総合は0.3%上昇 無料記事

 15日前場の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比242.57ポイント(0.95%)安の25259.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.09ポイント(0.65%)安の9022.64ポイントとそろって3日続落した。半日の売買代金は799億2850万香港ドルとなっている(14日の前場は683億6360万香港ドル)。
 内外環境の不透明感が重し。米国では、新型コロナ変異ウイルス(デルタ型)の感染拡大を背景に、米景気回復ペースは弱まるとの見方が依然としてくすぶっている。内部的には、産業締め付けの動きが警戒される状況。プラットフォーム企業から教育産業、不動産業などに続き、マカオでは、カジノ企業に対する監督を強化する方針が明らかにされた。また、取引時間中に公表された8月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などがそろって予想を下回っている。なかでも小売売上高の伸びは2.5%にとどまり、7月実績(8.5%増)から大幅に鈍化した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、カジノ関連が安い。金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が26.5%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が16.3%ずつ下落した。マカオ政府は14日、「娯楽場幸運博彩経営法」(通称:カジノ法)の改正を巡り、10月29日までパブリックコメント(意見公募)を行うと発表。カジノライセンスの枚数、期限などについて広く意見を募集する。併せて、政府によるカジノ企業への監督を強化する複数条項を改正案に盛り込む方針を表明。配当を実施する際にも政府承認を必要とする方向性を明らかにした。
 ネット株も急落し、ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は1.9%安。関連する構成銘柄では、網易(ネットイース:9999/HK)が5.6%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が3.9%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が3.3%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.8%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.0%安と値を下げている。オンラインゲーム大手のネットイースについては、政府規制を背景に、ゲームスタジオやプロジェクトの規模縮小に着手したもよう――と伝わったことも売り材料視されている。
 中国不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)と雅居楽集団HD(3383/HK)がそろって3.6%安、広州富力地産(2777/HK)が2.4%安で引けた。
 半面、鉄鋼セクターは高い。重慶鋼鉄(1053/HK)が3.4%、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が3.0%、中国東方集団HD(581/HK)が1.8%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.1%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%高の3673.86ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。公益株、半導体株、鉄鋼株、金融株、インフラ関連株の一角なども買われた。半面、消費関連株は安い。医薬品株、不動産株の一角も売られた。



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