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2021/09/23 17:46

香港大引:ハンセン1.2%高で続伸、本土不動産セクターに買い 無料記事

 休場明け23日の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比289.44ポイント(1.19%)高の24510.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が93.36ポイント(1.08%)高の8733.73ポイントとそろって続伸した。売買代金は1789億8020万香港ドルに拡大している(21日は1192億230万香港ドル)。
 内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。中国国内では、金融システムに対する過度な不安が後退している。債務問題を抱える不動産大手の中国恒大集団(3333/HK)は22日、23日に期日を迎える人民元社債の利払いを実施すると発表した。年内期限の利払いはほかにも相当額あるものの、中国政府が市場安定化に向けた措置を講じるとの見方も一部で広がっている。米株高も追い風。昨夜の米株市場では、米金融政策の不透明感が後退する中、主要株価指数がそろって上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、次回(11月)開催のFOMCでテーパリング(量的緩和の縮小)開始の詳細が表明されることが示唆されたものの、市場では想定内だと受け止められた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、管理サービスやデベロッパーの本土不動産が急伸碧桂園服務HD(カントリー・ガーデン・サービシズ・ホールディングス:6098/HK)が12.7%高、龍湖集団HD(ロンフォー・グループ・ホールディングス:960/HK)が9.7%高、碧桂園HD(カントリー・ガーデン・ホールディングス:2007/HK)が7.2%高、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)が6.5%高、中国海外発展(チャイナ・オーバーシーズランド:688/HK)が6.3%高で引けた。また、上述した中国恒大集団は17.6%高。上げ幅は一時3割を超えている。
 中国の銀行・保険セクターもしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が2.3%、交通銀行(3328/HK)が2.0%、招商銀行(3968/HK)が1.7%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.8%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.6%ずつ上昇した。
 発電や重電の電力セクターも上げが目立つ。華電国際電力(1071/HK)が16.2%高、
中国電力国際発展(2380/HK)が15.8%高、華潤電力HD(836/HK)が14.2%高、大唐国際発電(991/HK)が13.4%高、東方電気(1072/HK)が13.5%高、ハルビン電気(ハルビン・エレクトリック:1133/HK)が12.1%高と値を上げた。そのほか、太陽光や風力など再生可能エネルギー発電の関連銘柄群も物色され、新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が6.9%高、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:6865/HK)が4.8%高、中国高速伝動設備集団(658/HK)が11.7%高、龍源電力集団(916/HK)が5.6%高で取引を終えている。習近平・国家主席の発言が思惑を呼ぶ。習主席は21日、国連総会でビデオ演説し、「海外で新たな石炭火力発電所を建設せず、途上国のグリーン・低炭素エネルギー開発支援を強化する」と述べた。また、電力需要増の期待も強まる。中国の一部エリアで電力の供給がひっ迫しているもよう――と複数メディアが報じた。
 半面、自動車セクターの一角は安い。吉利汽車HD(175/HK)が5.1%、広州汽車集団(2238/HK)が4.4%、長城汽車(2333/HK)が4.3%、東風汽車集団(489/HK)が1.7%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%高の3642.22ポイントで取引を終了した。電力株が高い。ハイテク株、不動産株、食品飲料株、金融株、運輸株、インフラ関連株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。自動車株、医薬品株も売られた。


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