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2022/10/24 16:37

中国大引:上海総合2.0%安で反落、消費と不動産に売り 無料記事

 週明け24日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比61.37ポイント(2.02%)安の2977.56ポイントと反落した。
 中国政策運営の不透明感が相場を重くする流れ。中国最高指導部の人事を巡っては、経済通と言われる李克強・首相の指導部入りはなかった。ほか、中国人民銀行(中央銀行)の易綱・総裁は中央委員会メンバーに選出されなかったことにより、退任する可能性が高まっている。また、閉幕した党大会で新型コロナウイルス感染防疫措置の緩和や、不動産業の支援策などに言及がなかった点も失望された。香港・本土相互取引(ストックコネクト)スキームの売買では、本土株の売り越しが179億人民元に上り、過去最大を記録したと伝わっている。寄り付き直後に中国経済指標がまともて公表され、注目の第3四半期(7〜9月)国内総生産(GDP)成長率は大幅に上振れたが、好感する買いは限定された。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、消費関連の下げが目立つ。酒造の貴州茅台酒(600519/SH)が7.6%安、小売の上海百聯集団(600827/SH)が5.9%安、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が4.9%安、百貨店の王府井集団(600859/SH)が4.4%安、化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が4.1%安、家電の海爾智家(600690/SH)が4.0%安で引けた。低調な小売指標も売り材料視される、9月の小売売上高は前年同月比2.5%増にとどまり、増加率は市場予想(3.0%)と8月実績(5.4%)を下回った。
 不動産株も安い。金地集団(600383/SH)が6.8%、新城控股集団(601155/SH)が5.6%、信達地産(600657/SH)が4.2%、格力地産(600185/SH)が4.1%ずつ下落した。不動産関連指標が悪化。今年1〜9月の全国不動産開発投資額(名目ベース)は、中国全体で前年同期比8.0%減少した。6カ月連続のマイナス成長で、減少率は1〜8月の7.4%から拡大している。
 金融株もさえない。招商銀行(600036/SH)が5.3%安、興業銀行(601166/SH)が4.3%安、中国平安保険(601318/SH)が4.9%安、中国人寿保険(601628/SH)が3.7%安と値を下げた。医薬品株、エネルギー株、公益株、運輸株、素材株、半導体株、インフラ関連株なども売られている。
 半面、軍事関連株はしっかり。航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が6.5%高、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が6.1%高、軍用電子機器など製造の中国海防(600764/SH)が1.5%高、航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が1.4%高、衛星開発・運用の中国衛星(600118/CH)が1.2%高で取引を終えた。習近平・国家主席の政権3期目が発足し、中国新指導部の8割が習派で占められる中、軍備増強の思惑が改めて広がっている。
 一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が10.02ポイント(3.42%)安の283.22ポイント、深センB株指数が33.48ポイント(2.95%)安の1102.16ポイントで終了した。




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