10日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比12.04ポイント（0.39％）安の3036.13ポイントと3日続落した。
　前日までの軟調地合いを継ぐ流れ。中国国内では新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、経済活動の停滞が危ぐされている。当局は新型コロナ感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を堅持していることもあり、行動抑制などの防疫措置も各地で強化された。また、直近で公表された経済指標は弱い内容が多く、中国経済鈍化の警戒感も高まっている。ただ、下値を叩くような売りはみられない。「経済指標下振れは、景気対策につながる」との見方も根強く、政策で恩恵を受けやすい銘柄群の一角は物色された。(亜州リサーチ編集部)
　業種別では、半導体関連の下げが目立つ。半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体（603290/SH）が3.3％安、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電（600703/SH）が2.9％安、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技（600584/SH）が2.4％安で取引を終えた。
　軍事関連株も安い。航空機メーカーの中航直昇機（600038/SH）と航空製品の中国航発航空科技（600391/SH）がそろって3.0％、航空用エンジンメーカーの中航動力（600893/SH）が2.9％、軍用電子機器など製造の中国海防（600764/SH）が1.5％ずつ下落した。エネルギー株、医薬品株、公益株、素材株、インフラ関連株なども売られている。
　半面、酒造・食品株はしっかり。重慶ビール（600132/SH）が2.8％高、山西杏花村フェン酒（600809/SH）が2.5％高、貴州茅台酒（貴州マオタイ：600519/SH）が1.0％高、仏山市海天調味食品（603288/SH）が2.1％高、内蒙古伊利実業集団（600887/SH）が1.8％高で引けた。不動産株、金融株、空運株も買われている。
　一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.22ポイント（0.42％）安の289.53ポイント、深センB株指数が1.31ポイント（0.12％）安の1115.60ポイントで終了した。


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