20日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比303.86ポイント（1.53％）安の19609.03ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が131.31ポイント（1.94％）安の6645.24ポイントとそろって続落した。売買代金は435億110万香港ドルに縮小している（19日前場は535億3130万香港ドル）。
　投資家の慎重スタンスが継続する流れ。5月の経済指標が総じて弱い内容となるなか、証券ブローカー各社が中国の2023年経済成長見通しをそろって引き下げたことが引き続き売り材料視された。金融緩和期待もやや後退。中国人民銀行（中央銀行）は朝方、中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」について、5年物LPRを4.30→4.20％、1年物LPRを3.65→3.55％に引き下げると発表したが、市場では、不動産ローンなど中長期融資の基準となる5年物LPRは4.15％にまで低下するとの観測も流れていた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、デベロッパーや管理サービスなど本土不動産の下げが目立つ。碧桂園HD（2007/HK）が5.7％安、龍湖集団HD（960/HK）が5.0％安、碧桂園服務HD（6098/HK）が5.5％安で引けた。
　EV（電気自動車）メーカーを中心に自動車セクターも売られる。小鵬汽車（9868/HK）が6.9％安、浙江零ホウ科技（9863/HK）が4.8％安、蔚来集団（9866/HK）が4.0％安、比亜迪（1211/HK）が2.1％安で引けた。
　スポーツ用品や家電の消費セクターも安い。中国動向（3818/HK）が3.1％、李寧（2331/HK）が2.6％、安踏体育用品（2020/HK）が2.0％、創維集団（751/HK）が3.2％、TCL電子HD（1070/HK）が2.5％ずつ下落した。
　半面、マカオのカジノ関連はしっかり。新濠国際発展（200/HK）が3.3％、永利澳門（1128/HK）が1.7％、美高梅中国HD（2282/HK）が1.2％、澳門博彩HD（880/HK）が1.1％ずつ上昇した。業績の改善期待が強まる。マカオ政府が19日発表した最新統計によると、今年5月の入境旅客は延べ221万3807人に達し、前年同月の3.7倍に急拡大した。
　本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18％安の3249.89ポイントで前場取引を終了した。不動産株が安い。エネルギー株、金融株、素材株、医薬品株、運輸株、半導体株なども売られた。半面、自動車株は高い。公益株、軍事関連株も買われた。



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