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2023/06/20 17:36

香港大引:ハンセン1.5%安で続落、不動産セクターに売り 無料記事

 20日の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比305.81ポイント(1.54%)安の19607.08ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が121.61ポイント(1.79%)安の6654.94ポイントとそろって続落した。売買代金は944億3950万香港ドルに低迷している(19日は1029億9150万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが継続する流れ。5月の経済指標が総じて弱い内容となるなか、証券ブローカー各社が中国の2023年GDP成長見通しをそろって引き下げたことが引き続き売り材料視された。金融緩和に対する期待感もやや後退。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」について、5年物LPRを4.30→4.20%、1年物LPRを3.65→3.55%に引き下げると発表したが、市場では、不動産ローンなど中長期融資の基準となる5年物LPRは4.15%にまで低下するとの観測も流れていた。指数は中盤から下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、デベロッパーや管理サービスなど本土不動産の下げが目立つ。碧桂園HD(2007/HK)が6.8%安、龍湖集団HD(960/HK)が4.9%安、碧桂園服務HD(6098/HK)が7.0%安で引けた。ブローカー各社は中国不動産業の先行きを悲観している。野村は最新リポートで、中国の不動産セクターが新たな「下降スパイラル」に陥る可能性があるとの見解を示した。LPRの引き下げに続き、一段の金融緩和が実施される可能性があるものの、そのポジティブ効果は限定的とみている。ほか、モルガン・スタンレー(MS)は中国住宅の販売低迷が続いていると指摘した。そのほか、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が17.0%安。同社経営陣が示した収益ガイダンスに対し、一部のブローカーは懐疑的な見方を示した。
 ゼネコンやセメントのインフラ建設セクターも急落。中国鉄建(1186/HK)が4.9%安、中国交通建設(1800/HK)が4.2%安、中国中鉄(390/HK)が3.3%安、中国建材(3323/HK)が3.6%安、安徽海螺水泥(914/HK)が3.0%安と値を下げた。
 スポーツ用品や家電の消費セクターもさえない。中国動向(3818/HK)が6.2%、李寧(2331/HK)が2.4%、安踏体育用品(2020/HK)が2.0%、創維集団(751/HK)が3.5%、TCL電子HD(1070/HK)が3.0%ずつ下落した。
 半面、マカオのカジノ関連は高い。新濠国際発展(200/HK)が4.8%、永利澳門(1128/HK)が2.6%、美高梅中国HD(2282/HK)が2.1%、澳門博彩HD(880/HK)が1.7%ずつ上昇した。業績の改善期待が強まる。マカオ政府が19日発表した最新統計によると、今年5月の入境旅客は延べ221万3807人に達し、前年同月の3.7倍に急拡大した。
 一方、本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47%安の3240.37ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。金融株、エネルギー株、材株、医薬品株、公益株、運輸株、半導体株なども売られた。半面、軍事関連株は高い。自動車株、ソフトウエア株も買われた。




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